商標登録はお金になる？商標が生み出す利益とは

商標登録のメリットは理解できたんだけど、費用もかかることだから、そこに利益も加わらないと商標登録出願に予算を投入してもらいにくいんだよな…商標登録で得られる利益って何だろう？

確かに、商標登録自体が利益を生み出すイメージはないかもしれません。商標登録のメリットの、もう少し先にあるものを考えてみましょう。

なぜ多くの企業は、特許庁への商標出願や、時には審査への対応にもお金をかけて登録を目指すのでしょうか。
商標登録の「お金になる」メリットをご説明します。

商標登録のメリット

商標登録のメリットや効果は、以下の記事で解説しています。

まずよく挙げられるメリットは、「商標を独占的に使用することができる」ことや、「他社の商標登録を防ぐことができる」ことです。
しかし、これらのメリットによってできる差止や損害賠償の請求などは、第三者からの侵害等、外部に要因があった場合に発生する、どちらかというと守備的なメリットであるので、これ自体は直接利益に結び付かないように思います。

この記事では、「ブランド化」というメリットに注目します。

「ブランド化」のメリット

上記で“守備的なメリット”と紹介しましたが、他者の商標登録を防ぎ、商標を独占的に使用してこそ、商標権者は商標を、他にはない「ブランド」として育てていくことができます。

商標登録を取得するということは、その商標の出所が明らかになるということです。「○○社の商品を使いたい」「▲▲会社の商品は安心して使える」というように、類似品や粗悪品から自社の商標を守ることで、品質の保証や信頼につながります。

「他社より自社を選んで下さること」の積み重ねが、自社の売り上げ、ひいては利益につながることはもちろんです。

そして、信頼を獲得し続けることによって、ブランド力が向上します。
人気のブランドになれば、ブランドの知名度や訴求力を利用して、「その商品（サービス）を販売したい！」「コラボレーション商品（サービス）を作りたい！」という企業からお声がかかることもあるでしょう。そんなとき、商標権には値段がつくことがあります。

１．ライセンスによる対価

自社の商標を他社に使用させることを認めるのがライセンス契約です。商標権者と使用者が協議した上、商標権者はライセンスによる対価として使用料を受け取ることができます。
ブランドとしての価値が高いほど、ライセンス料も高額になります。
また、他社に使用させることによって新たなビジネスへ幅を広げることもできます。

２．譲渡

たとえば、他社に事業を売却するというような場合でも、その事業で使用する商標のブランド価値が高ければ、その商標権に値段をつけて売買することもできます。

事例紹介

①iPhone
ライセンスの話をしようとすれば、有名なのは「iPhone」ですね。
Apple社はWebサイトを覗いてみると、「iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。」という記載を発見できます。

愛知県にある「アイホン株式会社」は、日本で「アイホン」という商標を「第９類　電信機、電話機」で登録していました（登録番号：第460472号）。
Apple社はiPhoneを日本で販売するために、年間でかなり高額のライセンス料をアイホン株式会社に支払っているようです。
（金額については、さまざまな記事が出ているので検索してみて下さい…！）

②ザ・ノースフェイス
アメリカ発祥のアウトドアブランド「THE NORTH FACE」。
元々はキャンプ用品や登山用品を販売していたようですが、最近は街中でもダウンジャケットやリュックサックなどのアパレルを着用している人をよく見かけます。
実は、THE NORTH FACEの日本法人は存在していません。ゴールドウィンという会社がTHE NORTH FACEとライセンス契約を結び、日本人の体型や好みに合った製品を、THE NORTH FACEブランドとして製造しています。

③フランチャイズ
たとえば、商店を経営しようと考えた場合、自身が考えた店名を掲げて一から始めていくことも良いですが、フランチャイズ形式のコンビニのオーナーになれば、有名なコンビニの看板でお店を経営をすることができますので、集客力は圧倒的です。
コンビニの経営元の企業は、コンビニのオーナーから使用料を受け取ります。

商標登録で得られる「信用」にお金をかけているんだね。「信用」はどんなビジネスにおいても必要なものだし、「信用」が利益に変わるってことか！

まとめ

商標登録は、費用や時間もかかることですし、大企業だからお金をかける（かけられる）んじゃないか？とお考えの方もいらっしゃるかと思います。
しかし、企業の大小にかかわらず、商標をうまく活用することで、ビジネスチャンスは得られます。商標をきっかけとして、企業の利益を発展・維持させていくことも可能です。
商標登録のメリットを活用し、継続してブランディングを行うと価値はますます大きくなります。そして、使い続ける商標権は、更新を続ければ半永久的に存続させる『一生ものの財産』です。
『一生ものの財産』も、まずは商標登録出願から！
商標登録出願をご検討の方は、AmazingDXでの出願も可能です。
また、商標を最大限に活用できるよう、弁理士がサポートします。お気軽にご相談ください。

最後に、ブランディングに関する記事もたくさん掲載していますので、ぜひご参考下さい！