自分で商標登録の申請をやってみる? 商標に関する手続 2022年4月18日 2024年7月8日 Amazing DX guide 商標登録を自分でやってみる? 商標や使用する商品・役務(サービス)の範囲を決めて、出願する区分も確定したし、商標の検索をして調査したけど類似するものも見つからなかったし、登録の可能性が高そうだから、商標登録の申請を何とか自分でやってみようと思うんだ! どうすればできるかな? 紙で書類を作成して、書類の郵送や特許庁の窓口に持参しても手続できますが、オンラインで手続することもできますよ ただし、オンラインで手続する時には、下準備が必要です そうなんだね オンラインの手続きに興味があるから、自分でやってみたいな どんな準備が必要なんだろう? やり方を教えて欲しいな 今回は、商標登録の申請をオンラインで行うための準備について解説します。 その方法はいくつかありますので、その中でも比較的簡単な、個人の方がマイナンバーカード(ICカード)を使って、クレジットカード決済での手続きの流れを想定してご説明します。 オンライン手続の7ステップ オンラインで手続きができるようになるには、大きく分けて以下の7つのステップをクリアする必要があります。 利用環境は頻繁に更新されているため、特許庁がオンラインでの手続を支援する電子出願ソフトサポートサイト等で最新情報を確認することをオススメします。 パソコンの準備 電子証明書(マイナンバーカードとICカードリーダライタ)の準備 インターネット出願ソフトのダウンロード インターネット出願ソフトのインストール 申請人利用登録 申請書類の作成 電子出願(手数料の納付) ※記事の最後には、該当リンクや関連ページを、「参考・出典情報」として掲載していますので、参考にしてください。 1.パソコンの準備 オンラインで手続するにあたり、まず最初に何といってもパソコンが必要です。 OSは、Windows(8.1,10,11)のみとなり、MacOSやLinuxは対象外です。 OS毎で、推奨ハードウェア要件があります。 パソコンはインターネット接続されている必要があります。 ※詳細は、記事の最後にまとめた関連リンク(参考・出典情報)にてご確認ください。 必須のソフトウェア マイナンバーカードを使って申請をするためには、『公的個人認証サービス「利用者クライアントソフト」』が必要です。なお、外国語書面PDF等を表⽰するためには「Adobe Reader」が必要になります。 2.電子証明書の準備 次に、電子証明書の準備をします。電子証明書には、ICカード形式とファイル形式があり、個人の場合はどちらも使用できます。この記事ではマイナンバーカード(ICカード形式)での利用について説明します。 なお、法人の場合はファイル形式のみ、官公庁や地方自治体はICカード形式のみが利用できます。 マイナンバーカード(個人番号カード)について マイナンバーカードでの利用は、カードに2つの電子証明書(「署名用電子証明書」「利用者証明用電子証明書」)の機能が搭載されていることが前提になります。⼀般的には、不要の申し出をしない限り、標準搭載されている機能です。それぞれのパスワードはカードの交付申請書に記載したもので設定されています。 通常、交付申請から約1ヶ月で、交付通知(交付準備ができた旨の通知)が届きます。本人が、指定の交付場所に交付通知を持参して受け取ることになります。 ICカードリーダライタ マイナンバーカードに対応したICカードリーダライタが必要です。また、ICカードリーダライタを動作させるために必要なソフト(ドライバソフト等)のインストールも必要です。 ※必要ソフトは購入時同梱されている説明書やメーカーのホームページを参照ください。 公的個人認証サービス「利用者クライアントソフト」 「利用者クライアントソフト」ver.3.0以上が必要です。ダウンロード&インストールの上、使用するICカードリーダライタを設定します。詳細は、参考・出典情報の公的個人認証サービス「利用者クライアントソフト」ダウンロード(Windows)を参照ください。 3.出願ソフトのダウンロード 特許庁にオンラインで手続するための「インターネット出願ソフト」のダウンロードには、ダウンロード請求が必要です。 ダウンロード請求には、メールアドレスが必要です。フリーメール(GmailやYahoo!メール、Outlook、iCoud等)ではダウンロード請求ができませんので、注意が必要です。 ダウンロード請求後、しばらくすると、特許庁からダウンロードURLが通知されます。ダウンロードには有効期限がありますので、期限内にダウンロードください。 4.出願ソフトのインストール ソフトのインストールにあたり、いくつか注意事項があります。主なものは以下の通りです。 インストールするパソコンのコンピュータ名やインストール先フォルダ名には、全角日本語や半角カタカナは不可。 ネットワーク上で共有の設定にしているフォルダへのインストールは不可。 インストールは管理者権限が必要。 インストール前にWindows Updateを行い、OSを最新の状態にすることを推奨。 インストール前は、起動しているアプリケーションを終了することを推奨。 インストール完了後、自動的に「環境設定」が起動します。設定を確認し〔OK〕してください。環境設定を〔OK〕しないと、ソフトが正常に動作しません。 ※詳細は、電子出願サポートサイトをご参照ください。 5.申請人利用登録 インターネット出願ソフトでのオンライン手続きにあたり「識別番号」と「電子証明書」の組み合わせを特許庁に登録する必要があります。これが「申請人利用登録」であり、インターネット出願ソフトにてオンラインで行えます。 識別番号が未取得の場合は、申請人利用登録と一緒に識別番号の取得ができます。 オンライン手続きは、特許庁による申請人内容の確認完了後(約1開庁日後)になりますので、ご留意ください。 Windowsのスタートメニューのアプリ一覧から、〔インターネット出願ソフト〕⇒〔申請人情報・証明書管理ツール〕を選択し、登録を行います。詳細は、参考・出典情報を参照ください。 6.申請書類の作成 申請書の作成は、特許庁が提供している「さくっと書類作成」を利用することで、知識が無い状態であっても、誰でもスムーズに書類作成ができます。 さくっと書類作成では、全ての書類の作成はできないため、書類によってはひな型(様式)をダウンロードして作成する必要があります。詳細は、参考・出典情報を参照ください。 7.電子出願(手数料の納付) 電子出願の提出手続のときに、手数料(特許印紙)が発生する場合は、その印紙代を以下のいずれかの手段により納付する必要があります。詳細は、以下参考・出典情報のサポート ユーザガイドの〔手数料の納付〕をご参照ください。 指定立替納付(クレジットカードによる支払い) 口座振替(指定口座から引き落とし) 電子現金納付(ペイジーによる支払い) 予納台帳番号(銀行振り込みによる予納) 現金納付(特許庁専用納付書による支払い) クレジットカードによる支払いをする場合、事前にクレジットカード発行会社のサイトで、「3Dセキュア」の登録を行い、パスワードを取得する必要があります。「3Dセキュア」の詳細・登録方法は、クレジットカード発行会社にお問合せください。 オンラインで手続きをする場合は、書類電子化の情報処理手数料は無料のため、その分、結果として安いのでお得です。 上記のように、オンライン手続きをするにも、ソフトを利用するのに電子証明書やその周辺機器の準備や申請人の登録、印紙の支払い方法など色々な準備が必要です 確かに色々準備があって大変そうだね でも、準備することは分かったから一歩前進したよ この準備に労力や時間を踏まえて、自身でやるか、専門家に依頼するか、判断するよ! 商標登録出願・登録料納付などの手続きを代行してもらうメリット 紙書類で提出することもできる 何らかの理由で、オンライン手続きの下準備ができない場合でも、パソコンで申請書(願書等)を作成し、A4用紙に印刷して提出することもできます。 その場合には、郵便局で特許印紙(収入印紙は不可)を購入し、申請書に貼り付けて郵送することで、特許庁に提出することができます。もちろん、直接特許庁の窓口に行って、申請書を提出することも可能です。 以下の記事では、紙書類での申請方法を解説していますので、必要に応じてご参照ください。 自分で商標登録を申請することで費用を抑える方法を解説 オンライン手続の別手段 全国46道府県にある発明協会(地域協会)に設置されている出願端末を利用して、オンライン手続きをすることができます。詳細は、お近くの発明協会にお問合せください。 自ら申請する際の注意点 いかがでしたか? オンラインで商標の登録申請するためには、申請する前の下準備で相当な労力と相応の時間が必要になります。 申請書を作成するだけではないので、実際にやってみたら何かと時間がかかり、問題なく手続できても、権利を取るのが遅れてしまうこともあります。 また、自身で特許庁に手続きを行った場合、特許庁からの通知を受けることになります。通知によっては、**日以内にその後の手続きが必要になる場合もあります。期限を過ぎでしまうと、登録できなくなってしまうことがあるため、通知の内容をしっかり確認することが重要です。 商標登録に関係する期限と、期限の計算の仕方をチェックしよう! 登録を希望する商標の内容や状況を踏まえて、商標出願の手続きを自身でやってみるか、専門家に依頼するか、どちらが良いか適切な方法を選択して、商標を登録しましょう! 大切なのは、あなたのビジネスが商標権を取得することで保護され、あなたがビジネスに専念できる環境を作ることです。 Amazing DX®のご紹介 当事務所では「Amazing DX®」という、商標登録に関連する手続をオンライン(ウェブサイト上)で完結できる独自サービスを提供しています。 やりとりは弁理士が行いますので、サービスの品質を担保しながら、価格(費用)を抑えつつ、スピーディーに手続きができます。まずはアカウント登録からお試しください。 商標出願をスムーズに進めましょう! オンラインで商標検索から出願、出願後の管理までプロにおまかせのサービス「Amazing DX」についてもっと詳しく知りたいですか?こちらから資料を無料でダウンロードできます! 今すぐ資料請求する 本記事に関する参考・出典情報 電子出願ソフトサポートサイト はじめての方へ(個人の方へ) インターネット出願ソフトの動作確認済環境について 電子証明書の取得 申請に利用する機器を選ぶ 公的個人認証サービス「利用者クライアントソフト」ダウンロード(Windows) 出願ソフトのダウンロード手順 インターネット出願ソフトのインストールと環境設定 申請人利用登録/ICカード形式:識別番号を持っていない場合 申請人利用登録/ICカード形式:識別番号を持っている場合 さくっと書類作成 トップページ ひな型より作成 サポート ユーザガイド この記事の監修者: HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK 大阪法務戦略部長 八谷 晃典 スペシャリスト, 弁理士, 特定侵害訴訟代理人, 監修者