自分で商標登録を申請することで費用を抑える方法を解説

商標登録を自分でやってみる?

自分で無料データベースの特許情報プラットフォームを使って、商標の検索をしてみたけど類似するものも見つからなかったから、商標登録の申請を何とか自分でやってみようと思うんだ!どうすれば、できるかな?
専門家(弁理士や特許事務所など)に相談すれば、手続きを依頼することもできますし、特許庁で決められた様式に沿って書類を自分で作成すれば、自分で手続きをすることができますよ。
そうなんだね。自分でやってみようと思っているから、自分で手続するときの流れや注意点を知りたいな。

今回は、自分で商標登録の申請を行うことについて解説します。
大まかに言えば、書面提出とオンライン提出の二つの手段があります。この記事では、書面を作成し、特許庁に郵送で提出するやり方を説明します。

目次 Index
    1. 商標登録を自分でやってみる?
  1. 自分で商標登録を申請する手順
    1. 1.パソコン、プリンターの準備
    2. 2.出願書類の作成
    3. 3.特許印紙の購入について
    4. 4.出願書類の郵送について
  2. 自ら申請するメリット・デメリット
    1. 費用と手間(労力と時間)について
    2. リスクについて
  3. 表面化し難いリスクとは?
  4. 自分で申請するかどうかの判断基準
    1. まとめ

自分で商標登録を申請する手順

書面での出願手続きをするためには、大きく分けて以下の4つのステップをクリアする必要があります。

  1. パソコン、プリンターの準備
  2. 出願書類の作成
  3. 特許印紙の購入
  4. 出願書類の郵送

1.パソコン、プリンターの準備

書面で出願手続きをする場合、その書類は、A4サイズの白紙に黒色で明瞭かつ容易に消すことができないように記入します。手書きでも問題ありませんが、記入を間違えて書き直しすることも考えれば、パソコンで作成し、印刷することをお勧めします。

パソコンについて

特許庁やINPITが出願書類のひな形(フォーマット)をホームページ上で公開しており、WORDデータ形式があるため、WORDを編集できるパソコンをご準備ください。

プリンターについて

商標がカラーの場合は、カラー印刷できるプリンタをご準備ください。インクジェットプリンタ、レーザープリンタのどちらでも問題ありません。

2.出願書類の作成

以下のような商標登録願のひな形がウェブサイトに公開されているので、それをダウンロードして作成します。

各項目の具体的な書き方について、記入例を挙げてご説明いたします。

【整理番号】

自己の他の出願と区別するために記載します。ローマ字(大文字に限る)とアラビア数字、「-」(ハイフン)を使って、10字以内で記載してください。
〔記入例:001、2022-1、ABC-1〕

【提出日】

書類を提出する日(郵便局へ投函する日)を書きます。
〔記入例:令和4年3月31日〕

【商標登録を受けようとする商標】

大きさ8cm平方の四角い枠線の中に、商標(文字や図形など)を直接記載して下さい。別紙を貼り付けする場合は、その用紙を原則8cm平方の大きさにのものを貼付します(枠線は不要です)。

※特許庁長官が指定する文字(標準文字)によって、商標登録を受けようとするときは、〔商標登録を受けようとする商標〕の四角い枠線の下、〔指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分〕欄の上に【標準文字】と記載します。
※標準文字には、その構成に条件がありますので、ご注意ください。

【指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分】

以下の要領で記載します。商品・役務の区分と指定商品(指定役務)は、繰り返し記載することで複数指定できます。

【商標登録出願人】

出願人(個人、会社等)に関する情報を記入します。

※注意事項:商標登録出願人が在外者(日本国内に住所又は居所を有しない者)の場合は、自分のみで出願手続きをすることができません。日本国内に住所又は居所を有する代理人(弁理士、特許事務所)によって手続する必要がありますのでその点ご注意ください。

(特許印紙)

出願料は、[3,400円+(区分の数×8,600円)](例:1区分の場合は12,000円、2区分の場合は、20,600円)です。出願料相当額の特許印紙を書面の左上部に貼付してください。その下の括弧内に出願料の金額を記載します。

※注意事項:特許印紙に割り印をしてはいけません。

3.特許印紙の購入について

特許印紙は、全国各地の郵便局等で購入できますが、比較的大きな郵便局でも常に在庫があるとは限りませんので、購入前に郵便局に問合せて確認することをお勧めします。

4.出願書類の郵送について

郵送先と郵送に関する注意事項は以下の通りです。

※郵送でなくても特許庁の受付窓口に直接持参することも可能です。

自ら申請するメリット・デメリット

自分で商標登録する場合と、弁理士や特許事務所などの専門家に出願代理を依頼する場合とのメリット・デメリットをあげてみました。

メリットデメリット
自分でする場合費用を最低限にできる労力がかかる
制度の理解不足によるリスクが高くなる
専門家に依頼する場合労力が軽減される
リスクが低くなる
手数料が発生するため、費用が掛かる

ポイントは、二つあります。

費用と手間(労力と時間)について

自分で商標登録する場合の手間としては、次のものが挙げられます。

とにかく費用を節約したい方には、実際に自分でやってみてもよいと思います。自分でやれば、特許印紙代以外の費用は無料です。この記事で解説しているように願書を作成して特許庁に提出すれば、商標登録の出願をすること自体は問題なくできるでしょう。

リスクについて

費用・手間と別の観点として『リスク』が挙げられます。出願したら全てが問題なく登録されるわけではなく、特許庁の審査で登録できないと判断されてしまうリスクです。

例えば、先に似ている登録商標がある場合は登録できません。その他にも登録が認められないケースがあります。審査の結果登録できない場合、その理由と一緒に拒絶理由通知書が通知されます。
登録できるかどうかの判断は専門的で複雑なため、登録できるかどうか事前に知りたい場合は、その調査を専門家に依頼することをお勧めします。
料金はかかりますが、その代わりに登録可能性を知ることができますし、登録できない可能性がある場合には、その理由も教えてもらえるため、善後策を練ることもできます。

表面化し難いリスクとは?

問題が起きてからでないと分からないような表面化し難いものもあり、具体的には次のようなリスクが挙げられます。

商標の権利範囲は、出願の書面(商標登録願)に記載した「商標」と「指定商品(指定役務)」の内容で決まります。
特許庁の審査では、出願した内容が、実際の使用(事業)に含まれているかはチェックされません。審査で登録を受けたとしても、実際の使用とはズレが生じてしまっている可能性があるのです。

つまり、このズレがあった場合には、商標登録の時にはそれに気付かず、結果として模倣品が発見された時などの問題が起きてはじめて気付くことになります。

専門家に依頼することにより、このリスクは抑えることができます。もちろん、商標制度に詳しく知識をお持ちの方であれば、同様にリスクを抑えることができるでしょう。

自分で申請するかどうかの判断基準

自分で商標登録するか専門家に依頼するかは、商標登録できなかった時に以下対応を許容できるかどうかを検討して判断することになります。

さらに、使用している商標が既に登録されている商標に類似している場合には他人の権利を侵害している可能性があるため、「商品の回収」や「係争になった場合に備えた対応」も検討する必要があります。

商標登録をすれば、自動的に自分の事業が守られるものだと思っていたから、そんなところにリスクがあるとは思わなかったよ。リスクはもちろんだけど、費用と労力のバランスも考慮して、自分でやるか、専門家に依頼するか、判断するよ!

まとめ

いかがでしたでしょうか?登録を希望する商標の内容や状況を踏まえて、自分でやってみるか、専門家に手続きを依頼するか、どちらが良いか適切な方法を選択して、商標登録しましょう!
大切なのは、あなたのビジネスが商標権を取得することで保護され、あなたがビジネスに専念できる環境を作ることです。

当事務所では「Amazing DX®」という、商標登録に関連する手続きをオンライン(ウエブサイト上)で完結できる独自サービスを提供しています。やりとりは弁理士が行いますので、サービスの品質を担保しながら、価格(費用)を抑えつつ、スピーディーに手続きができます。まずはアカウント登録からお試しください。

参考・出典情報
supervisor
Supervisor for the article:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
大阪法務戦略部長 八谷 晃典
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