商標とは何か。備わる機能や重要性などを解説します。

商標って何?

商標って何だろうか。
よく耳にする用語だけど、実際のところあまり知らないな。

商標は、一言でいえば「他人と区別するために使用するマーク」です。
たかがマーク一つでも、サービス業界においては重要な役割を持ちます。ここでは、「商標」そのものについて紹介・解説していきます。

そんなに重要なのか。それなら詳しく学んでいこう

商標とは何か(概要)

商標は「自己の商品・サービスと他人の商品・サービスとを識別する標識」です。
そして、自己の商品・サービスと他人の商品・サービスとを区別する機能を識別力といい、商品やサービス(役務)の提供に同一の商標を使用し続けることで、上記機能の自他識別機能の他にも、出所を表示する機能、品質を保証する機能、広告機能の3つの機能が発揮されます。

また、商標は、特許、実用新案、意匠と同じ知的財産権の一つです。
販売する商品の名称や提供するサービスの名称、いわゆるネーミングで使用される場面が多く、企業や会社の成長、ブランドの構築など、マーク一つでも様々な活用方法があり、大げさにいえばビジネスの存続を支える可能性を持った重要な知的財産です。

それでは、「商標」について深堀していきます。

商標制度について

前提として、国という大きなスケールで円満な経済活動が行われるためには、商品やサービスが誰によって製造又は提供されるものなのかが分かることが重要です。

商標法第一条には「この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」と明記されています。

商標制度は、商品やサービスに付される目印としての標章(マーク)を、商標呼び、これを保護することを定めています。商標には、自己の商品・サービスと他人の商品・サービスとを識別する自他識別機能の他に、それが付された商品やサービスの出所を表示する機能、その品質を保証する機能及び宣伝広告機能があるとされており、マークを通じて需要者が安心して商品やサービスを購入できるようにするという意味で、産業の発展に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的としているといえるでしょう。

出所を表示する機能

出所を表示する機能とは、同一の商標が使用されている商品やサービス(役務)は、いつも一定の生産者や販売者から出されたことを示す機能を指します。

品質を保証する機能

品質を保証する機能とは、同一の商標が使用されている商品やサービス(役務)は、いつも一定の品質・質を備えることを保証する機能を指します。

商標を使用し続け、消費者がその商標に紐づいた品質・質を信用して商品やサービスを購入するようになると、その商標(登録商標)の権利者も品質・質を管理し、信用の維持に努めるようになります。結果的に、商標には品質を保証する機能が備わります。

広告機能

広告機能とは、消費者に、商標を手掛かりに購買意欲を起こさせる機能を指します。
現在ではウェブサイト上で宣伝広告を行うなど、宣伝方法が多様化していますので、重要性が増している機能となっています。

CMやSNSで、それまで無名だった名前が急に注目の的になる、なんてこともあると思いますが、こういった形で商標が世間に広まれば、その商標は広告機能を存分に発揮することになりますね。

商標の機能はすぐに備わるものではなく、使い続けて信用を得た結果備わる機能なんだね。

商標法の保護対象

では、どういうものを商標として保護できるのでしょうか。ここでは商標として保護できるものを簡単に解説します。
商標登録に関する内容は以下の記事も併せてご覧ください。

保護対象一覧

商標法第二条に規定する商標、つまり「人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの」であり、業として商品を生産し、証明し若しくは譲渡するものがその商品について使用するもの、又は、業として役務を提供し若しくは証明する者がその役務について使用するもの、を保護の対象とします。

商標の使用については、以下の記事も併せてご覧ください。

現在では、文字、図形、立体形状、動き、ホログラム、音、位置、色彩が主な保護対象ですが、伝統的に保護されていた文字商標や図形商標(いわゆるロゴ)と言った万人に馴染みやすい標章が商標登録の大半を占めているのが現状です。
音、ホログラムのような、いわゆる「新しいタイプの商標」と言われる分野はまだまだ出願・登録数は少なめです。
新しいタイプの商標に関する内容は、以下の記事をご覧ください。


実際に出願や登録されている商標のデータは以下のサイトで誰でも無料で検索が可能です。
J-Plat Pat

商標の重要性について

商標は、各国で規定されている商標法により詳細は異なりますが(属地主義)、日本において権利として保護するためには、適切に書類を作成して出願し、審査を受ける必要があります。審査を経て登録査定が発行されたあと、登録料を納付することで、一定の期間、独占して使用する権利(専用権)が発生します。同時に、第三者が登録商標と同一又は類似する商標の使用を禁止する権利(禁止権)も付与されます。

商標登録されることにより、第三者から自身の事業を守ることができ、自社及び自社サービスの信用の維持・向上を図ること等が可能になります。また、商標権は更新し(日本の場合は、10年毎に更新が可能)商標を使用し続けることで、半永久的に信用を守り続けることも出来ます。


権利侵害に関しては、以下の記事も併せてご覧ください。

これらの理由から、商標は重要とされており、商標登録におけるメリットは多いです。
もちろん、商標登録の審査に時間を要したり、出願の手続や、出願するための費用、第三者に既に使用されていないかの調査など、準備することは多いですが、これらを差し引いても商標登録のメリットは大きいです。

商標を登録しよう

商標、というものがどういう存在で、かなり重要な事はわかったよ。
やはり、商標登録しないと結局はあまり意味はないのだよね?

そうですね。法律で保護されているからこそ、安心して商標は使用出来ます。
ただし、同じ、又は類似する商標は同時に登録することはできません。ご自身が登録したいと思う商標が、誰かに先に使用や登録されていることもしばしばありますので、商標権の取得を検討する際には、商標出願する前に調査をして、審査をスムーズに進める準備も必要です。
Amazing DXでは商標登録等に関する問い合わせを随時受け付けていますので、遠慮なくご利用ください。

ありがとう、検討してみるよ。

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Supervisor for the article:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
大阪法務戦略部長 八谷 晃典
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