登録された商標の更新の流れを解説

更新ってどうやるの?

商標の更新の手続を進めようと思うけど、申請から完了までの制度や細かい流れがよくわからないな。
やはり、書類や手続きに不備があると、拒絶理由通知みたいなものも出るのかな。

お察しの通りです。
更新手続にも、商標登録番号の誤記など不備があると手続がストップします。
そのため、流れを把握した上で、費用や期限を確認しながら進めていきましょう。

なるほど。じゃあ更新手続フローを確認して、不備のない様に準備を進めよう。

更新手続について(商標権の設定の登録の後)

商標権に限らず、特許、実用新案、意匠といった知的財産権の権利を維持するには登録(特許)料納付書を作成し、必ず特許庁に提出しなければなりません。

ここでは、登録(特許)料を納付してから、更新手続が完了するまでの流れを解説いたします。

折角、商標登録したものの、更新を忘れて期間が満了してしまったり、手続の流れを知らずに書類の様式や料金に関する不備を解消できずに権利が消滅する等、といった事が起きたら勿体ないですよね。

準備を始める前に、ここで詳細な情報を押さえておきましょう。

手数料や申請書(書類)の書き方をまとめたガイド記事もありますので、そちらのガイドも併せてご確認いただけると、より理解が深まります。

登録料納付書の提出

商標権は、存続期間を何度でも更新することが可能です。更新する際は、商標権存続期間更新登録申請書の提出が必要です。

そして、更新時に区分を減じて更新をすることができますので、更新の際に不要な区分があれば区分を減じることで更新登録料を抑えることが可能です。 なお、更新時に区分を追加することはできませんので、追加したい場合は、追加したい区分、指定商品・役務について、新規で出願する必要があります。

更新の申請が可能なのは、商標権の存続期間の満了する日の6月前から存続期間満了の日までです(例外あり)。
以上をまとめると以下の通りです。

概要


また、登録料に関しては、一括で納付する方法と分割で納付する方法があります。

更新期限の詳細については、下記ページをご参照ください。

★更新手続、期限管理は手続、制度を熟知している代理人にお任せいただくと安心、スムーズです。但し、代理人に更新手続を依頼する場合は、一般的に別途代理人費用も発生します。

もちろん、代理人を介さずに出願人自身で更新期限を管理し、更新手続を行うことも可能ですので、ご希望の場合は、ご自身で更新の申請書を作成いただき、手続きを行っていただいて問題ありません。

申請書の書き方などについては、こちらのガイド記事をご参照ください。↓

ご自身で更新手続を行うと費用を抑えられるメリットがある一方で、手間がかかるデメリットがあり、代理人に依頼する方が安心かと思われます。そして、商標の使用状況の変化が生じたとき、例えば登録商標に記述的な文字を付加して使用するなど使用態様に変化が生じた場合など、商標権の内容に踏み込まないと更新手続きの要否について判断できない場合もあるかもしれません。

そのようなときは、商標に詳しい弁理士に更新管理を任せておくと、適切な助言を受けることができます。 実際に、商標登録以降の管理及び手続も代理人に依頼している方は多くいらっしゃいます。

納付期限を過ぎた場合

納付期限の延長はできませんが、登録料納付書は、分納の場合を含め、納付期限徒過後6月以内であれば提出出来ます。
ただし、割増登録料(通常の2倍の)での納付が必要ですので、ご注意ください。

割増費用にならないためにも、可能な限り、納付期限内(存続期間の満了する日の6月前から存続期間満了の日まで)に納付しましょう。

そして、更新申請が可能な期間に更新申請を行わない場合は、商標権は存続期間の満了の時にさかのぼって消滅したものとみなされます。 また、分割納付の場合、後期5年分の更新登録料の納付が可能な期間に納付しない場合は、商標権は存続期間の満了前5年の日に消滅したものとみなされます。

割増登録料の免除について

権利者の責めに帰することができない理由(以下、「不責事由」)により、納付期間、又は納付の猶予後の期間内に登録料の納付をすることができなかったことが認められた場合は、割増登録料の納付が免除されます。(令和3年10月1日、施行)
※不責事由の一例として、天災(台風、地震など)があります。

新型コロナウイルス感染症により影響を受けた場合の不責事由等は、以下の特許庁ホームページを参照ください↓
救済について

免除になる対象の案件は、令和3年10月1日以降に納付期間(通常納付期間)が経過した案件です。
納付期間の末日が令和3年9月30日の案件は対象外ですのでご注意ください。

納付書の提出方法

書面での提出をされる方は、特許印紙を貼付し特許庁の窓口に直接提出するか、郵送での対応が可能です。
郵便で提出された場合は、郵便局に差出された日が納付の日になります。
※郵送時は「書留」又は「簡易書留」が推奨です。

直接提出・郵送に代えてオンラインで提出される方は以下のリンクを参照ください。
電子出願ソフトサポート

所要期間

オンライン手続きの場合、商標登録出願の審査のようなものはなく、不備がなければ提出日から3日以内に登録されます。
ただし、特許庁窓口への提出や郵送で提出した場合は、特許庁にて書面の電子化の作業が発生するため、およそ3週間かかります。

より早く手続きが完了する、オンライン手続きがお勧めです。

登録にまでに要する期間について

更新申請が登録された場合

登録料を納付して、受理された場合、登録原簿へ記録され、納付者(申請者)または代理人宛に通知はがきが届きます。
ただし、通知はがきには、次回の納付期限日は記載されません。
そのため、引き続き、登録された商品、または役務で商標の使用を予定している権利者は、期限管理を忘れずに行いましょう。

補充指令書が届いた場合(商標の場合)

金額が誤っているなど、登録料納付書に軽微な不備がある場合、特許庁から「商標更新登録申請書補充指令書」が届きます。
指令書に記載された期間内に、登録料納付書(補充)を提出しましょう。
期間内に提出がない場合は、登録料納付書は手続却下処分になり、再度提出が必要になりますので、必ず対応しましょう。

却下理由通知が届いた場合(商標の場合)

登録料納付書に重大な不備がある場合、特許庁から「却下理由通知」が届きます。
却下理由通知送達後30日以内に弁明書を提出し却下の理由を解消しないと、手続却下処分になります。

更新手続きは特許事務所にお任せください

オンライン手続きの方が、書面での手続きより遥かに早いんだね。
でも、オンライン用の手続ソフトの利用は、一般の人には関りが薄いよね。

特許庁は業務のオンライン化を推進しています。そのため、この流れに乗じて庁手続のオンライン化を促進している特許事務所が増えています。
当事務所では、更新手続きのサービスを承っております。特に、Amazing DXでは、更新手続、期限管理も格安ですので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。

ありがとう!
3日と3週間では時間に大きな違いあるし、一度相談してみるとするよ。

[参考]商標登録の取消

商標権は基本的に10年ごとに何回でも更新することが可能ですが、継続して三年以上日本国内において商標を使用していない場合、他者から不使用取消審判(商標法50条)を請求されることで、商標登録の一部又は全部が取り消されてしまうことがありますので、ご注意ください。

また、不使用取消審判以外に、不正使用取消審判の制度もあります。例えば、商標権者が故意に登録商標に類似する商標に変更して使用することにより、商品の品質若しくは役務の質の誤認又は他人の業務に係る商品若しくは役務と混同が生じている場合、他者から不正使用取消審判(商標法51条)を請求されることで、商標登録の全部が取り消されてしまうことがあります。 商標の取消審判の詳細については、下記ページをご参照ください。

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この記事の監修者:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
大阪法務戦略部長 八谷 晃典
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