商標登録の名義変更とは 商標に関する手続 2023年3月14日 2025年2月5日 Amazing DX Support Team 会社が合併するから、出願中の商標も登録済みの商標も、全部新しい会社の名義にしないといけないな どんな手続きを行ったらいいんだろう? 商標登録の前か後かで、申請する書類や印紙代が違うんです 少し複雑ですので、よく確認してくださいね 商標登録に向けた手続中であっても、商標登録された後であっても、商標の権利にかかる名義を変更することができます。 特許庁に対して必要な手続について、説明します。 自分にとって必要な商標出願・登録の名義変更手続は? 商標権利者の情報の変更は、商標が登録になる前にも後にも行うことができます。 まずは、自分が行うべき変更手続はどれか、以下のポイントで確認してみてください。 手続きはおおまかに4つに分かれます。また、複数の商標で状況が異なる場合は、それぞれで手続きします。 権利者が他者に変わる 商標登録前 商標登録後 権利者の実体は同一で、その名称などが変わる 商標登録前 商標登録後 本ページでは、「1.権利者が他者に変わる」ときの手続きについて説明します。 2.の手続きが知りたい方は、下記のページで「住所(居所)変更届」「氏名(名称)変更届」「登録名義人の表示変更登録申請」をご確認ください。 商標登録に係る氏名・住所の変更方法について 「商標の権利者が他者に変わる」ときの名義変更手続き 商標の登録前と登録後で、申請書類や印紙代が異なります。 【こんな方が該当します】 第三者に権利を譲渡・売却する 会社が合併または分社化する 個人名義の商標を法人名義に切り替えたい 故人の財産相続で商標を相続する 共同出願の商標を一部の権利者が放棄する 権利を渡す側の「譲渡人」と、権利をもらう側の「承継人」のどちらが手続を行ってもよいですが、実務上は「承継人」が手続を行うことが多いので、「承継人」が手続を行う場合として説明します。 (1)商標登録前の名義変更 商標を出願すると、「商標登録出願により生じた権利」が発生します。商標登録前は、出願人はこの「商標登録出願により生じた権利」を持っており、そしてこれを譲渡することができます。 この場合、「出願人名義変更届」を特許庁へ提出します。 印紙代:4,200円 ※特許印紙 権利の承継(譲渡)を証明する書面として、譲渡証書を添付します。譲渡証書には、譲渡人の住所、氏名(法人の場合は名称と代表者名)、捺印などが必要です。 相続の場合、戸籍謄本などが必要です。 代理人による手続の場合は、委任状が必要です。 約1ヵ月で特許庁での処理が完了します。特許庁からの通知は特にありません。手続きに不備がある場合のみ通知がされます。 (2)商標登録後の名義変更 商標登録後は、「商標権」の移転が可能です。 この場合、「商標権移転登録申請書」を特許庁へ提出します。 印紙代:30,000円/1商標 ※収入印紙 権利の承継(譲渡)を証明する書面として、譲渡証書を添付します。譲渡証書には、譲渡人の住所、氏名(法人の場合は名称と代表者名)、捺印などが必要です。 相続の場合、戸籍謄本などが必要です。 代理人による手続の場合は、委任状が必要です。 届出が特許庁で受理されると、変更された内容が登録原簿に記載され、その後「商標登録済通知書」がオンライン発送または普通郵便にて送付されます。 オンライン発送の場合は登録の翌週2開庁日目の9時に発送され、普通郵便の場合は登録後3週間程度で発送されます。 <注意点> 登録前(出願人名義変更届)のみ「特許印紙」での納付が必要となります。 「出願人名義変更届」は電子出願が可能です。 「商標権移転登録申請書」は郵送及び窓口での手続きの他、インターネット出願ソフトによる電子特殊申請が可能です(一部書類を除く)。 各書類は特許庁の規定にしたがって作成する必要がありますので、くわしくは特許庁のウェブサイトをご確認ください。 特許庁:特許庁関係手続における登記事項証明書の添付の省略について 特許庁:出願人名義変更について 商標権の譲渡 商標の移転登録申請について 商標登録を譲渡・移転するには?注意点や必要書類等を解説 登録後の手続の方が書類が多くなったり印紙代がかかったりします そのため、出願中の案件をお持ちなら、できるだけ登録前に変更手続を済ませるのがよいです そうだね、印紙代が全然違うね! 複雑だから弁理士さんにお願いするにしても、早めに準備する方がいいね! まとめ 登録前の商標を譲渡したいときは、「出願人名義変更届」を特許庁に提出する。 登録後の商標を譲渡したいときは、「商標権移転登録申請書」を特許庁へ提出する。 複数の書類について説明しましたが、対象の商標の状況によって、自分がどの手続をすべきかを判断できれば、手続自体は複雑ではありません。特許庁の様式を一度確認してみてください。 どの手続をすべきかわからない場合や、大量の申請が必要で困っている、などのご相談がありましたら、当事務所へお気軽にお問い合わせください。商標専門の弁理士がサポートします。 商標弁理士に相談してみませんか? 商標のことで、もっと知りたいこと、お悩みごとはありませんか? 商標登録のメリットや手続きについて専門家に相談してみませんか?経験豊富な商標弁理士があなたの疑問にお答えします。 お問い合せフォームへ進む この記事の監修者: HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK 大阪法務戦略部長 八谷 晃典 スペシャリスト, 弁理士, 特定侵害訴訟代理人, 監修者