動くロゴ(アニメ)の商標について【動き商標/新しいタイプの商標】

テレビCMやネットで上げる動画のために、動くロゴを作ってみたよ。
ロゴ自体は商標登録済みだけど、動きも凝ってるから、何か権利を取れたりしないかなぁ。
近年の法改正で、単なるロゴだけではなく、「動くロゴ」等も商標として登録できるようになりました。
以下で登録の要件や登録例を紹介しますので、是非ご覧ください。
目次 Index
  1. 動くロゴの商標について
  2. 「動き商標」について
    1. 動き商標の出願方法
    2. 動き商標の登録要件
  3. 動き商標の登録例
    1. 東宝
    2. スペースインベーダー
    3. 戸山流居合道
  4. まとめ

動くロゴの商標について

本記事では、「動き」の商標登録について解説します。

テレビCMやネット上での動画の広告等で、企業名等のロゴが動いているのを観たことがある方もいらっしゃるかと思います。

こういった、企業名やブランド名を印象付けるのに効果的な「動くロゴ」は、「モーションロゴ」等と呼ばれたりもしています。

そして、「モーションロゴ」は、2015年の商標法の改正により、新たに「動き商標」として商標登録の対象となりました。

このような「新しいタイプの商標」の制度の概要について、以下のページで解説しておりますので、宜しければご覧ください。
・「商標登録の種類とは?新しいタイプの商標・地域団体商標など

「動き商標」について

ちなみに、「動き商標」としては、ロゴに限らず、文字や図形等に係る動き全般を商標登録することができます。

以下で、動き商標の出願方法や登録要件を紹介します。

動き商標の出願方法

動き商標の出願書類には、時間の経過に伴う商標の変化(動き)を特定できるよう、図や写真を添付する必要があります。

図や写真の中には、指示線や符号等を記載することができ、これにより商標がどのように変化するのかを特定することもできます。

また、図や写真の他に、【商標の詳細な説明】の欄に、商標がどのように変化するのかを文章で表す必要があります。

その他にも、動き商標というのは時間の経過に伴って変化する商標であるため、商標の変化にどれくらいの時間がかかるのか(所用時間)についても、説明欄への記載が必要とされています。

【参考】特許庁公表資料
・「新しいタイプの商標の出願方法~出願の際の注意事項及び様式~
・「商標審査便覧52.01 動き商標の願書への記載について

動き商標の登録要件

動き商標には、他の商標と同じく「識別力」などの要件が課されています。

商標登録の要件全般の情報については、以下の記事をご覧ください。
・「サクッと確認!商標の基本事項と登録要件

動き商標の識別力について

識別力については、動き商標を構成する文字や図形等と、時間の経過に伴う変化(動き)を総合して、商標全体として判断されます。

但し、動き商標に識別力が有る場合/無い場合として、特許庁は以下の3つを掲げており、文字等の軌跡を描かない「動き」については言及されていません。

  1. 動き商標を構成する文字や図形等に識別力が有る場合、動き商標全体としても識別力が有ると判断する
  2. 動き商標を構成する文字や図形等に識別力が無い場合、動き商標全体としても識別力が無いと判断する
  3. 時間の経過に伴う変化(動き)が、軌跡として線等で表され、その線により描かれた文字等に識別力が無い場合、動き商標全体としても識別力が無いと判断する

しかしながら、軌跡が文字等と認識できない純粋な「動き」が、識別力判断に全く影響しないというわけでもなく、例えば上記の2.については「原則」と表現されています。
そのため、構成要素の文字や図形等に識別力が無い場合であっても、「動き」の要素を加味して、動き商標全体としては識別力が有ると判断される余地はあるものと考えられます。

動き商標の類否判断について

動き商標の類否についても、識別力の要件と同様に、構成要素の文字や図形と「動き」を総合して、商標全体として判断がされます。

この点、構成要素の文字や図形、また動きの軌跡によって表される文字等が先行商標と似ている場合は、原則として類似であるとされています。

一方で、「動き」そのものについては、原則として、類否判断における「要部」として抽出することはしないとされています。
実際に審査基準上も、軌跡等を描かない「動き」そのものが似ていたとしても、構成要素の文字や図形等が似ていない場合、原則として非類似であるとされています。

しかしながら、識別力の判断基準と同じく、「原則」との枕詞があることから、類否判断においても、「動き」そのものに高い識別力が認められる場合等に、類似・非類似の判断が覆る可能性はあるものと考えられます。

【参考】
・特許庁「商標審査基準

動くロゴ自体も商標出願することができるんだね!
出願のときに「動き」を説明する文章を作成しないといけないのはちょっと難しそうだけど、やってみる価値はありそう!

動き商標の登録例

特許庁のデータベース(特許情報プラットフォーム)では、日本で出願/登録された動き商標を検索することができます。
※「検索オプション」で「動き商標」にチェックを入れることで、検索可能です。

動画の提出はないため、確認できるのはあくまで画像や文章のみですが、画像は基本的に複数枚用意されており、パラパラ漫画の要領で動きを把握することは可能なので、何となくイメージはつきやすいと思います。
以下では、動き商標の登録の一例をご紹介します。

東宝

【開始】 商標登録 動き 東宝1 商標登録 動き 東宝2
商標登録 動き 東宝3 商標登録 動き 東宝4
商標登録第5805759号

映画でお馴染みの東宝。映画上映前に、このモーションロゴを観たことがある方は多いはず。
この商標登録ですが、画像の枚数がかなり多いことが注目されます。

動き商標の登録例を見てみると、提出されている画像の枚数は、大体10~20枚くらいのものが多いことが分かります。
この点、この商標登録は、全てあわせて59枚もの画像が提出されており、映像に携わる企業だからこその、「動き」の保護に対するこだわりが感じ取れます。

【開始】 商標登録 動き TOHOアニメーション1 商標登録 動き TOHOアニメーション2
商標登録 動き TOHOアニメーション3 商標登録 動き TOHOアニメーション4
商標登録第5825672号

こちらは同企業のアニメ事業に関する動き商標。鮮やかな配色によるダイナミックなアニメーションが、一連の画像を見ただけでも分かるくらい秀逸に表現されています。

スペースインベーダー

【開始】 商標登録 動き スペースインベーダー1 商標登録 動き スペースインベーダー2
商標登録第6166669号

こちらは有名なゲーム、『スペースインベーダー』に関する動きの商標。
敵キャラクターの「インベーダー」の動きが商標として登録されています。

説明文を読んでみると、キャラクターについて、【「カニ」と思しきキャラクターが両手を挙げ…】と記載されています。
設定として正しくはあるのですが、商標の説明文としては少し風変わりで面白くもあります。

【開始】
スペースインベーダー他1 スペースインベーダー他3
スペースインベーダー他2 スペースインベーダー他4
商標登録第6166670号 商標登録第6166671号

他の「インベーダー」についても、動きが商標登録されています。
説明文では、左から【「イカ」と思しきキャラクター】、【「タコ」と思しきキャラクター】と紹介されています。

戸山流居合道

【開始】 商標登録 動き 戸山流居合道1 2
3 4
商標登録第6363354号

最後に、「戸山流居合道」の商標を紹介します。
こちらは、数人の男性が多種多様な居合の型を実践している様子が、動き商標として登録されています。

この商標登録では、驚くべきことに136枚もの画像が提出されています。
1つの型毎に型の名前と動きが数枚の画像で表されており、それが136枚も続くので、かなり膨大な内容となっています。

画像の枚数がかなり多いことから、データベース上で出願・登録されている動き商標を一覧で表示した際に、「商標見本の数がシステムの上限値を超えているため、全ての商標見本を表示できません」という(恐らくは特許庁による)注意書きがトップに表示されるようになっています。

特許庁の注意書き
特許庁による注意書き(商標登録第6363354号)

2022年12月現在、出願・登録されている動き商標を検索しても、他にこのような注意書きが表示されているものは確認できないため、かなり特殊な登録例であると言えます。

動き商標にも色々なものがあるんだね!
パラパラ漫画みたいで、みてるだけでも結構面白いね。

まとめ

以上、動き商標の要件と、登録例を紹介してきました。

動き商標については、出願の際に画像や文章等で動きを表す必要があります。

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