商標登録~商標と特許の違いについて保護対象の違いを中心に~

いつも商標の話ばっかりしているけど、そもそも商標は特許じゃないの?商標と特許はどう違うの?
商標と特許は法律によって保護される対象が違います。
実は、別々の法律で保護されているんですよ!
そうなんだ!
法律が違うってことは、全然ちがうものなのかな?
そうです。
商標と特許は保護対象の他に、登録要件も異なりますし、同じ知的財産権といっても全く別のものになりますよ。
どんな違いがあるのか、みていきましょう!
目次 Index
  1. 商標と特許の違いについて
    1. 保護対象の違いについて
    2. 特許権とは
    3. 商標権とは
    4. 具体的には
  2. 商標権を取得するには出願が必要です
  3. まとめ

商標と特許の違いについて

アイディアを思いついたときや、新しいものを創作したとき、それらの権利を独占するにはどのような方法があるでしょうか。

発明や著作などにより生み出されたものや、営業上の信用などの知的創作により生み出された「無体物(非有体物)」は、無体財産権として保護されます。

無体財産権には「特許権」「実用新案権」「商標権」「意匠権」「著作権」等があり、「知的財産権(知的所有権)」とも呼ばれ、それぞれ「特許法」「実用新案法」「商標法」等別々の法律により保護されます。

これらの権利はいずれも発明(創作)の時点で得られるものではなく、特許庁に登録が認められて初めて権利として付与されるものです。

このガイド記事では、「特許法」や「商標法」がどのようなものを保護対象としているのか、「特許権」と「商標権」の違いについて登録要件などの情報とともに説明します。

保護対象の違いについて

「特許法」と「商標法」のそれぞれ第1条には、法律が制定された目的が記載されています。

第1条 この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする

第1条 この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。

つまり、何れも産業の発達に寄与することを目的としていますが、特許法は、「発明」を保護の対象とし、発明を奨励することにより、産業の発展に寄与するとしています。

一方、「商標法」は、商標を保護することで「商標に化体した業務上の信用」を維持することにより産業の発展に寄与し、同時に、需要者の利益の保護(=取引秩序の維持)も目的としています。

簡単にいうと、「特許」は発明などの技術的思想の創作を保護する制度であり、商標はブランド価値等を保護する制度です。

なぜ、「商標に化体した業務上の信用」とわざわざ書いているのかというと、「商標」とは、商品・サービスにつける「⽬印」のことで、その商標自体は事業者に使われなければ経済的な価値を持ちません。

しかし、事業者が商品やサービスを提供するときに、商標を継続的に使用すれば、その商標を見たときに商品の品質やサービスの質などを消費者がイメージすることができ、徐々にその商標を使う商品やサービスについて信用を獲得していくことができます。

この、商標に化体した業務上の信用こそが経済的な価値を持つとして保護されるのです。

例えば、商品を選ぶときに、「Panasonic」や「NIKE」などの商標が使われている商品であれば、その商品の品質や製造者をイメージすることができ、安心して購入することができます。簡単に言うと、これが「商標に化体した業務上の信用」というものです。

また、商標権は文字だけでなく、図形や色、音、ホログラムのように変化するものなども登録の対象になっています。

特許権とは

特許権とは、特許発明を業として実施する権利です。
保護される特許発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもので、目に見えるものではありません。これを文章に表して出願し、特許庁から登録の許可をもらえば、特許発明として保護されます。(※出願、審査、登録に際して特許庁へ決められた額を納付する必要があります。)

・登録要件

特許登録の許可をもらうには、特許庁の審査において登録要件を満たさなくてはなりません。(※特許庁で審査を開始するには審査請求が必要となり、審査請求の際に、手数料を納付する必要があります。)

以下は主な登録要件です。

・産業上利用できる発明であること

・公に知られていない新しいものであること(新規性)

・公知の発明から簡単に発明できたものでないこと(進歩性)

これらの登録要件の他、特許法で規定されている要件を満たせば、登録査定が通知されます。

なお、登録要件を満たしていない場合、特許庁より拒絶理由通知が発行され、出願人は拒絶理由通知を解消するために、補正や意見書を提出する機会が与えられます。

拒絶理由通知が解消されれば、登録査定となり、解消されていなければ拒絶査定となります。

登録査定が通知された後、30日以内に登録料を納付すれば、特許庁で特許権が設定登録されます。

権利期間は最長で特許出願の日から20年です。

商標権とは

商標権とは、指定商品又は役務について登録商標の使用をする権利です。

つまり、商標権は、「商標(マーク)」だけでなく、そのマークを使用する商品またはサービスとセットで登録される権利です。

また、商標権は登録商標を独占して使用する権利である専用権と、登録商標に類似する商標について他人の使用を禁止できる禁止権に分けられます。

・登録商標に類似する商標とは?

登録商標と他の商標が類似するかどうかの判断は、商標(マーク)自体が同一か似ているのかを判断するほか、登録商標で指定された商品又は役務と、他人が商標を使用している商品と役務とが同一または類似するかによって判断されます。

そのため、同一の商標を他人が使っても、商標を使用している商品や役務(サービス)が違う場合、商標権の権利が及びませんので注意が必要です。

上述の通り商標権の範囲を決めるものになるため、商標を使用する商品やサービスについては、どのような商品・サービスであるかを明確に理解できるものでなくてはなりません。特許庁は、「類似商品役務審査基準」という基準を公開していますので、出願時の参考にすることができます。

商標を使用する商品又はサービスについて詳しくは以下のリンクをご覧ください。

商標登録にかかせない商品・サービスの分類とは


・登録要件

商標登録の許可をもらうには、特許庁の審査において登録要件を満たさなくてはなりません。

以下は主な登録要件です。

・自己の業務に係る商品またはサービスについて使用する商標であること

・自己の商品・サービスを他人のものと区別する機能があること

・公共機関のマークと紛らわしいなど、公益に反する商標ではないこと

・他人の登録商標や周知著名な商標と紛らわしい商標ではないこと

特許権と違って、商標権では新規性や進歩性が要件になっていないので、商標のマークを公開してしまった後であっても登録を受けることができます。

出願後の手続の大まかな流れは特許と同じですが、商標は審査請求をする必要がなく、出願された順に審査が始まる点が異なります。

権利期間は登録から10年ですが、10年毎に更新することができ、年金を納付すれば半永久的に権利を維持することができます。

なお、特許権は20年の存続期間については特別な事情がない限り(特許法第67条第2項)延長ができませんが、これは、特許権は発明を公開する代償として独占権を付与されており、産業の発展と独占権とのバランスが考慮されているためです。一方、商標権は半永久的に独占的に使用しても、産業の発展を阻害することにはならず、むしろ継続的に使用することで、その商標に信用が化体していき、競業秩序の維持という消費者の利益にもなるという違いがあるためです。

具体的には

具体的な商品で特許権と商標権の違いをみてみましょう。

例えば、スマートフォンでは、通信技術や制御システムは特許発明として保護されます。スマートフォンメーカーの名称や商品名は商標権で保護されます。例えば「ANDROID」(第5132404号)や「Galaxy」(第4498554号)の商標登録がされています。

なるほど!商標権と特許権は同じ産業財産権でも中身が全然違うんだね!
商標も特許も活用すれば技術もブランドも保護できるんだね!
その通りです!新しい技術を開発した場合は、技術的側面は特許権で、その技術にネーミングを付けてブランド化する場合は商標権で保護していくことが可能です。技術的効果が製品の外観にも表れている場合は意匠でも保護が可能ですよ。

商標権を取得するには出願が必要です

上記の通り、商標権を取得するには、まず特許庁に出願手することが必要です。
商標権は先願主義となっており、いわば早い者勝ちです。

商標登録出願の手順や手続きについては、以下に詳しく記載していますのでこちらもご覧ください。

商標登録するには?出願や登録までの要点を解説!

手続に関する料金について詳しくお知りになりたい方は、以下をご参考ください。

商標登録にいくらかかるの?商標の取得費用を分かりやすく解説します

まとめ

いかがでしたでしょうか?「特許権」と「商標権」の違いがお分かりいただけたと思います。

当事務所では「Amazing DX®」という、独自サービスを提供しており、無料の商標検索システムで検索することで、先行商標があるかどうかを簡単に調査・確認することができます。
特許事務所が運営するサービスですので、分からないことがあれば、チャットで弁理士に相談することができます。
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Supervisor for the article:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
大阪法務戦略部長 八谷 晃典
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