商標登録の大まかな手順を解説!

初めての商標登録

自社でオリジナルの商品を開発したので、ユニークな名前を付けて販売したいと考えているんだけど?

いいですね。それでしたら、他社や他人にまねされて使われないように商標登録をした方がいいですよ。

ショーヒョートーロク・・・?何それ?わかりやすく教えてくれる?

商標とは、事業者が自己の商品・サービス(特許庁ではこれを「役務」と呼びます)と他人の商品・サービスを区別するために使用するマークのことであり、商標権は、「マーク」+「使用する商品・サービス」のセットで登録されます。

商標権を取得する主なメリットとして以下の2つが挙げられます。

①商標権を取得しておくことによって、自分の商標として使い続けることができる。
②自分の登録商標もしくはそれと似たような商標を使っている人に対して「使うな!」と言える。すなわち、指定商品・指定役務について独占することができる。

これら以外にも以下のようなメリットが挙げられます。

・商標登録により発生する商標権を無形の固定資産として計上することができる。
・登録商標を使用する商品やサービスの信用力やブランド的価値の向上が期待できる。
・商品パッケージや自社ウェブサイト上などに商標登録の表示を行うことで、潜在的な模倣行為や後発の新規参入を抑止する効果が期待できる。

以下では、商標登録の大まかな手順(流れ)について、注意すべき点を踏まえながら、詳しく説明します。

商標登録の手順

商標及び商品・サービスの特定

まず出願して商標登録を受けようとする商標を決めます。
登録できる商標は、文字、図形、記号、立体的形状やそれらを組み合わせたものです。2015年4月からは、動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標、位置商標といった新しい商標についても登録ができるようになっています。

次に、その商標を使用する商品やサービスを決めます。
商標は商品やサービスとセットで登録されますから、必ず商品やサービスを指定しなければなりません(これを「指定商品・指定役務」といいます)。
また、商品やサービスの指定に関係するのが区分であり、区分とは、商標を使用する商品やサービスを45分類したものです。
45区分の中から商標の使用用途等に合わせた必要な区分を指定します。

商標調査

商標法は、先願主義といって、先に商標を使用した者ではなく、先に出願した者に商標登録します。
出願する商標について既に他人の登録商標が存在する場合には、商標登録を受けることができません。
出願した商標が登録できるかどうかは出願前の事前の商標調査にかかっています。
同じ商標や似た商標の登録などがあったとしても、指定商品・指定役務が異なる場合には登録が認められるケースも多々あります。
商標調査は特許庁の関連機関である独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)のサイトにおいて提供されている「J-PlatPat」が便利です。
商標調査はしっかりやりましょう!

出願書類の作成

商標調査の結果を踏まえ、商標登録の出願書類を作成します。

出願書類には、出願人情報などの書誌的事項のほか、商標登録を受けようとする商標、商標を使用する指定商品や指定役務、指定商品や指定役務の区分を記載します。

商標は実際に使用するものを記載します。実際には英語で使用するのにカタカナで商標登録をうけてしまうと、権利の効果が十分に発揮されない可能性があります。

また、指定商品や指定役務に記載漏れがあるとその商品・役務には権利の効果が及ばなくなるので漏れのないように気を付けましょう。
指定商品や指定役務には、現在使用中、近い将来使用予定のものはもちろんのこと、将来的に使用可能性があるものも含めておくとよいでしょう。

出願書類の特許庁への提出

出願書類は特許庁に提出します。申請手続きは弁理士、弁護士などの代理人を介して行うことが一般的ですが、代理人を介さずに自分で行うことも可能です。

申請方法には電子申請と書面申請の2通りがあります。
電子申請の場合には専用の電子出願ソフトの導入、電子証明書の購入など環境を整える必要があります。
一方、書面申請の場合には、申請書類に申請費用に相当する特許印紙を貼り付けて特許庁に提出(窓口又は郵送)します。なお、書面申請の場合には、別途電子化手数料がかかります。

特許庁による審査

申請が受理されると、特許庁の審査官によって商標登録の可否が審査されます。
特許庁の公表によれば、2021(令和3)年4月現在、審査に着手するまでの期間は8~14カ月となっています。

審査の結果、登録してもよいという判断がされた場合は、特許庁から登録査定が発送されます。

一方、登録が認められないという判断がされた場合は、その理由を記載した拒絶理由通知が発送されます。
拒絶理由通知に対しては反論の機会が与えられ、意見を述べたり、出願書類の内容を修正(「補正」といいます。)したりすることができます。
但し、反論には期限が設けられているので注意が必要です。

登録料の納付

特許庁から登録査定を受領したら、30日以内に登録料を納付します。
登録料は10年分の一括納付と5年分の分割納付があります。
登録料の納付すると正式に商標登録がなされ、しばらくすると特許庁から登録証が送付されてきます。
これでめでたく商標権者となりました。

以降:更新手続き

商標は登録されたら終わりではありません。
満了日が近づいてきたら更新する必要があります。
なお、自分で行った場合は自分で期限管理を行う必要があります。

色々と大変そうだけど勉強になったよ。ありがとう!

わからないことがありましたら、またいつでもご質問ください。

最後にー商標登録は自分でする?専門家に依頼する?

 商標登録を自分で行うべきか、専門家(特許事務所、弁理士、弁護士など)に依頼して行うべきかを考える際にポイントとなるのは費用でしょう。

 自分で行う場合は特許庁に対して支払う費用だけで済みますが、専門家に依頼する場合はこれに加えて手数料が必要となります。

 費用だけを考えれば自分で行うほうが有利です。しかし、特許庁とのやり取りや期限管理などを全て自分で行わなければなりません。

 また、特許庁の審査において拒絶理由通知が発行された場合には、反論書類(意見書、手続補正書)を提出して対応する必要があり、反論においては専門的な知識が要求されるケースが多くあります。

 拒絶理由通知の発行などさまざま事態を想定して、専門家の知識と経験を利用して確実な商標登録を目指したい場合には専門家に依頼するほうが望ましいでしょう。

 なお、専門家に依頼する場合には、登録したい対象(商標、指定商品・指定役務)を正確に伝えることに加え、商標を使用する事業に関する情報を伝えることで、ビジネスに即した効果的な商標権の取得が期待できます。

Amazing DX®では、オンラインで簡単に指定商品・役務(サービス)が選べます。
利用方法として、まずは一覧から商品・役務を多めに選んで検索し、調査後に×が出たものだけを外して再検索することも簡単です。

どの商品・役務を選んだらいいか迷ったときは、商標専門の弁理士があなたの疑問にお答えします。チャットでお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
大阪法務戦略部長 八谷 晃典
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