地名が含まれる商標は登録できる?

地名が含まれる商標の登録

『江戸切子』、『なると金時』、『今治タオル』みたいに、特産品をアピールして地域を盛り上げるような商標を考えたいな!
今おっしゃった特産品は「地域団体商標」という制度のもとで登録されていて、一定の条件をクリアして登録されているものです。
通常の商標登録では、「地名のみ」や「地名+商品(サービス)の一般名称」からなる商標については、原則、登録が認められませんので注意してください。

最近は、地域の特産品が注目され、ブランド化に成功した例をよく見かけます。
多くの企業でも、地名を含んだ商標を考えることがあるかもしれません。
しかし、「地名のみ」や「地名+商品(サービス)の一般的な名称」からなる名称は、原則的には商標登録することができません。

目次 Index
    1. 地名が含まれる商標の登録
  1. 地名が含まれる商標が登録できないのはなぜ?
    1. 例外的に地名が含まれる登録商標が存在する
    2. 地域団体商標制度
  2. 商品(サービス)の一般的な名称ではない語との組み合わせなら可能性あり
  3. 中国・台湾で日本の地名や、自身の商標が他者により出願登録された場合の総合的支援策について
  4. まとめ

地名が含まれる商標が登録できないのはなぜ?

地名は、特定の個人・企業が独占して使用するものではなく、その地域に関わる多くの個人・企業が使用すべきものです。
例えば、特定の個人・企業が、「大阪お好み焼き(地名+商品の一般的な名称)」という商標を出願し、これが登録を認められてしまうと、今大阪でお好み焼きを販売・提供している権利者以外の飲食店などは、自由にお好み焼きの提供を行うことが難しくなってしまう可能性があります。
商標法では、「出願しても登録にならない商標」として、「iii)単に商品の産地、販売地、品質等又は役務の提供の場所、質等のみを表示する商標(商標法第3条第1項第3号)」と定められています。
これは、単に「地名のみ」や「地名+商品(サービス)の一般名称」からなる名称では、識別標識としての商標の機能を果たさないからです。
「大阪お好み焼き」の例の場合、「大阪で作られた(あるいは大阪で提供される)お好み焼き」の認識しか生じないため、識別力がないことになります。

例外的に地名が含まれる登録商標が存在する

原則的に、「地名のみ」や「地名+商品(サービス)の一般名称」からなる名称は商標登録することができないことをご説明しました。
しかし、例外的に地名が含まれる登録商標が存在します。
代表的な例でいえば、『夕張メロン』です(商標登録第2591067号、等)。
「夕張メロン」は、全国的に広く認知され、単に産地を示すものではなく、他のメロンと識別できるまでに至ったので、登録が認められました。

商標法においても、「出願しても登録にならない商標」に該当する商標であっても、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては、登録を受けることができる、と規定されています(商標法第3条第2項)。

この場合、上記の商標の使用によって自己と他人の商品・役務とを区別することができるまでに至ったことの説明として、実際に使用した商標及び商品・役務や使用した期間、地域、生産量、広告回数等を証明する証拠書類の提出が必要となります。

<参考>第3条第2項(使用による識別性)の審査基準(PDF:240KB)

地域団体商標制度

もう一つ、『江戸切子』、『なると金時』、『今治タオル』などの登録商標も存在します。
これは「地域団体商標制度」を利用し登録されているものです。

制度の名前のとおり、ある特定の地域を取りまとめている協同組合などの団体が商標登録を行う制度であるため、個人や企業が利用できる制度ではありませんが、地域ブランドを保護し、地域経済を活性化させることを目的として導入され、特許庁もこの制度を利用した商標登録には積極的な姿勢を示しています。

地域団体商標は、文字のみで構成されていること、地域に根ざした団体の出願であること等、要件を満たす必要があります。
概要は以下のリンクページをご確認下さい。

● 地域団体商標制度とは | 経済産業省 特許庁

商品(サービス)の一般的な名称ではない語との組み合わせなら可能性あり

地名が含まれていれば必ずしも登録不可というわけではありません。
試しに「大阪〇〇」や「〇〇大阪」を特許情報プラットフォーム”J-Platpat”で検索してみると、たくさんの登録例があることがわかります。

これら登録例は、
・商品(サービス)の一般名称との組み合わせではないこと(地名でない部分に識別力があること)
・特徴的なロゴや図形との組み合わせであること
・使用により識別力を獲得していること
等により、登録が認められているものと考えられます。

地名が含まれる商標を考えたい際には、上記のような方法を考えてみましょう。

地名以外の部分で、自社の製品だとすぐに認識してもらえるような特徴を出せば、登録が可能な場合もあるんだね

中国・台湾で日本の地名や、自身の商標が他者により出願登録された場合の総合的支援策について

特許庁によると、中国・台湾において日本の地名や自身の商標、地域ブランド等が第三者によって出願登録される事例が相次いでいるとのことです。
これによって現地でのビジネス展開に支障が生ずるリスクへの対処をお考えの方は、特許庁が行っている支援について、ホームページで確認してみて下さい。

【特許庁】中国・台湾で日本の地名や、自身の商標が他者により出願登録された場合の総合的支援策について

まとめ

地名が含まれる商標は、消費者に信用を与えたり、ブランドとしての価値が高まったりすることが期待できます。
しかし、一個人・一企業の方が商標として出願するためには、識別力のある語との組み合わせや、特徴的なロゴや図形との組み合わせがおすすめです。

ご自身が考えた名称で、「地名が含まれているけど登録できるのだろうか?」と悩まれている方は、当所へご相談ください。商標専門の弁理士がサポートします。
Amazing DXのチャットやお問い合わせフォームをご活用下さい。

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Supervisor for the article:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
大阪法務戦略部長 八谷 晃典
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