漫画のタイトルやキャラクターを商標登録する方法を解説!

自作マンガがバズったので商標登録したい!

うちの商品の販促マンガを描いて Twitter に連載していたら、意外とバズってしまったよ。
なりすましや、イメージを損ねる二次創作が出てくると怖いんだけど、商標権でなんとか保護できないかな?
漫画のタイトルやキャラクターなら、登録できるかもしれませんよ。
ただし、商標として登録に相応しいか、よく考えないといけません。

この記事では、漫画のタイトルやキャラクターなどについて商標登録を取るべきかどうか、取れるかどうかについて解説します。

「漫画の中に登録商標を出してもいいのか?」を知りたい方はこちら

漫画のタイトル・キャラクター・モチーフ等は商標登録できるのか

著作権による保護だけではダメ?

漫画は創作物ですので、漫画の具体的なコマやイラスト、セリフ自体は、原則的には著作権で守られます。
漫画は、作った時点で著作権が発生しますから、著作権だけで守るつもりであれば、登録申請をする必要はありません。

しかし、漫画のタイトルやキャラクター名は、著作物にあたらないことが多いため、著作権による保護ができません。
また、キャラクターイラストに関しても、第三者のイラストが「たまたま似てしまった」場合には、権利行使することができません。

どこまで商標登録すべきか

漫画に出てくるキャラクターすべてを商標登録するのは、費用対効果の面から現実的ではないでしょう。

商業的な利用が予想される場合でも、

など、商標登録のコストがメリットを上回る場合は、商標登録しないのも選択の一つです。

しかし、漫画の作者様としては、自分の考えたキャラクター名を他人に勝手に使われたくないのも心情かと思いますので、
コスト面で割に合わなくても出願をトライしてみるのもひとつの手かと考えます。

商標登録するのが効果的なもの

以下のようなものは、商標登録しておくと効果的です。

商標登録してもできないこと

商標権者は商標を使用する権利を独占するので、業としての使用に対しては差止請求などができます。
裏を返せば、業としての使用ではなく、個人的にタイトルやキャラクターを使っている第三者に対しては、権利行使することができません。
そこまでできてしまうと「行き過ぎ」になるからです。

マンガの中に出てくるものを商標登録する際に気をつけるポイント

事業の「目印」となるものを出願する

商標が登録されるには、そのマークが誰の商品・サービスなのかが分かることが必要です。(識別力といいます)
ですので、単に漫画の内容を示すだけのタイトルや、漫画のページそのものは、登録が難しいと考えられます。
また、キャラクターの「個性」や「設定」なども、商標登録には向いていません。

ある程度有名になったマンガのタイトルや、商品パッケージに表示するキャラクター画像などは、商標登録に比較的向いています。

もし、いわゆる商業出版ではない同人誌であっても、
オリジナルのものであって、他人にそのタイトルやキャラクターを使用されると経済的に損失があるのであれば、
商標登録費用と比較したうえで取得を考えてもよいでしょう。
※ただし、二次創作の場合は勝手に商標登録してはいけないのはもちろんのことです(後述)。

使用の結果として識別力が認められることもありますので、
不安な場合は、自分が出願商標を使用しているという証拠を集めておくのがよいでしょう。

他人の漫画について勝手に登録してはダメ!

当たり前ですが、まったく関係ない他人のマンガのキャラクターやタイトル・ロゴなどをわざと勝手に出願してはいけません。
商標法 4 条 1 項 15 号などで拒絶されることもありますし、仮に登録されたとしてもトラブルにつながる可能性があります。

また、出版社からゲーム化の許諾を受けたゲーム会社が商標出願する場合なども注意が必要です。
ゲーム化の権利と一緒に商標出願についての作者の許諾も受けていればいいのですが、
そうでない場合、やはり商標法 4 条 1 項 15 号などの拒絶理由通知を受けることがあります。

指定商品・サービスの範囲をしっかり考える

あらゆる分野のキャラクターグッズを作って販売することを考えて商標権を得ようとすると、区分数が多くなるため費用がかかります。

によって、出願する指定商品・サービスの範囲を決めましょう。

最初は漫画だけ展開していたが、人気が出てグッズ販売やゲーム開発をすることになった場合、その範囲を追加で出願するのが一般的です。
一時的なコラボの場合は著作権による保護で充分というケースもありますが、継続的に販売する場合は商標登録も考えたほうがよいでしょう。

漫画の商標登録の実例

ここでは、漫画に関して登録されている商標の実例をいくつかご紹介します。
(どの区分がどの商品分野なのか確認するには、区分一覧ページが便利です。一般的に、漫画そのものを守るときは 16 類や 9 類です。)

『リボンの騎士』

作者の手塚治虫先生とゆかりのある宝塚市の PR にも活躍している『リボンの騎士』。
商標も、昭和時代の登録が幅広い分野で維持されています。

出願番号/登録番号区分
登録 066256818,25
登録 068376812
登録 068376909
登録 069052216
登録 069181208,20,21
登録 069181310,18,21
登録 069324630
登録 069926609,25,28

……など

なんだか商標数が多いな?
平成 9 年までは、 1 出願につき 1 区分までしか指定できなかったのです。
時代の変遷とともに指定商品の区分けが変わって複数区分になった登録もありますが、
権利範囲の広さが商標数に表れていますね。

『遊戯王』

作中に登場するカードゲームの販売促進漫画としても有名な『遊☆戯☆王』。
そのタイトルから ☆ マークを抜いた「遊戯王」の文字商標の登録状況を見てみましょう。

出願番号/登録番号区分
登録 259202709,25,28
登録 260988309
登録 262300109
登録 428689205, 14, 16, 18, 20, 21, 24, 25, 29, 30

……など

最初の出願の段階で「トレーディングカードゲーム」を含む第 28 類が指定されています。
平成10年ごろに一気に指定商品を増やしています。アニメ化の影響でしょうか。あるいは、上に挙げた多区分出願制度が導入されたからでしょうか。

『ちいかわ』

商業出版ではなく Twitter で有名になった漫画です。
タイトルやキャラクター画像などを、出版社などの団体名義によらずに出願しています。

出願番号/登録番号区分
登録 646230309,16,18,25, 28
登録 664926303, 05, 08, 10, 14, 20, 21, 24, 26, 29, 30, 32, 35, 36,38,41, 43

※キャラクター画像も出願されています(登録 6648272 号)

作中に「食」にまつわるエピソードが多いことから、食品・飲食業(カフェなど)とも活発にコラボされたり、
クレジットカードとのコラボが話題となりましたが、それらの商品・役務が後から追加で出願されています。

漫画のタイトルやキャラクターを商標登録するには、どこまで商業的に使うかに気をつけよう

漫画のタイトルやキャラクターなどの商標は、最初は漫画そのもの範囲で出願し、関連する商品の幅が広がってきたらその範囲を追加で出願することが一般的です。
どこまで使用するのかをよく考えて、適した時に出願するのがおすすめです。

漫画そのものだけ守ればいいのか、漫画を使ってPRしているものも守るのかによって、指定する商品・サービスの範囲が変わってくるんだね。
費用対効果をよく考えて出願を検討しよう。

弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARKは、商標だけでなく、著作権の相談にも対応可能です。
ご自身の漫画の権利関係についてお悩みがあれば、ぜひご相談ください。

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