タイトルやキャラクターなど、漫画に関する商標登録について解説! 商標出願前 2023年3月7日 2024年7月3日 Amazing DX Support Team 自作漫画のタイトルやキャラクターを商標登録したい! 漫画を描いてるんだけど、キャラクターが好評なんだよね でも、他の人に勝手にキャラクターグッズとか売られちゃうと嫌だなぁ なにか良い対策とかないかな? 漫画のタイトル名やキャラクターなら、商標登録できるかもしれませんよ ただし、商標として登録にふさわしいか、よく考えないといけません この記事では、漫画のタイトルやキャラクターなどについて商標登録を取るべきかどうか、取れるかどうかについて解説します。 「漫画の中に登録商標を出してもいいのか?」を知りたい方はこちら 商標登録された言葉を使っていいの? トラブルを回避する方法 漫画のタイトル・キャラクター・モチーフ等は商標登録できるのか 著作権による保護だけではダメ? 漫画は創作物ですので、漫画として描かれたイラスト等には、通常著作権が発生します。 しかし、漫画のタイトルやキャラクター名については、著作物にあたらず、著作権による保護が受けられないことが多いとされています。 一方で、漫画のタイトル、キャラクター名やイラスト等は、商標登録が可能な場合もあります。 特にキャラクターグッズなど、漫画に関係してグッズ展開を行っている場合は、著作権による保護だけでなく、漫画のタイトルやキャラクター名等について商標登録も受けた方が良いと言えます。 商標登録するのが効果的なもの 以下のようなものは、商標登録しておくと効果的です。 漫画のタイトル キャラクターグッズを販売する場合のキャラクター名 事業に関係のあるもの(パッケージや請求書)にも表示するキャラクターイラスト(会社のマスコットなど) キャラクターを商標登録しよう!その方法と注意点を解説 マンガの中に出てくるものを商標登録する際に気をつけるポイント 事業の「目印」となるものを商標出願する 商標が登録されるには、そのマークが誰の商品・サービスなのかが分かることが必要です。これを「識別力」といいます。 ですので、単に漫画の内容を示すだけのタイトルや、漫画のページそのものは、登録が難しいと考えられます。 ※商標審査基準では、「書籍(漫画など)」の指定商品について、(1)需要者に書籍のタイトルとして認識され、(2)かつ特定の内容を認識させるものと認められるようなタイトル名の商標は、識別力が無いとして商標登録を受けられないとされております。 他人の漫画について勝手に商標登録してはダメ! 当たり前ですが、まったく関係ない他人のマンガのキャラクターやタイトル・ロゴなどをわざと勝手に出願してはいけません。 商標法4条1項10号などで拒絶されることもありますし、仮に登録されてしまったとしても、後々トラブルにつながる可能性があります。 指定商品・サービスの範囲をしっかり考える あらゆる分野のキャラクターグッズを作って販売することを考えて商標権を得ようとすると、区分数が多くなるため費用がかかります。 実際に商標を使用している(または使用する予定のある)商品やサービスによって、出願する指定商品・サービスの範囲を決めましょう。 漫画の商標登録の実例 ここでは、漫画に関して登録されている商標の実例をいくつかご紹介します。 ※どの区分がどの商品分野なのか確認するには、区分一覧ページが便利です。 『リボンの騎士』 作者の手塚治虫先生とゆかりのある宝塚市の PR にも活躍している『リボンの騎士』。商標も、昭和時代の登録が幅広い分野で維持されています。 出願番号/登録番号区分登録 066256818, 25登録 068376812登録 068376909登録 069052216登録 069181208, 20, 21登録 069181310,18, 21登録 069324630登録 069926609, 25, 28 ……など なんだか商標数が多いね? 平成9年までは、1出願につき1区分までしか指定できなかったのです 時代の変遷とともに指定商品の区分けが変わって複数区分になった登録もありますが、権利範囲の広さが商標数に表れていますね 『遊戯王』 作中に登場するカードゲームの販売促進漫画としても有名な『遊☆戯☆王』。そのタイトルから ☆ マークを抜いた「遊戯王」の文字商標の登録状況を見てみましょう。 出願番号/登録番号区分登録 259202709, 25, 28登録 260988309登録 262300109登録 428689205, 14, 16, 18, 20, 21, 24, 25, 29, 30 ……など 最初の出願の段階で「トレーディングカードゲーム」を含む第 28 類が指定されています。 平成10年ごろに一気に指定商品を増やしています。アニメ化の影響でしょうか。あるいは、上に挙げた多区分出願制度が導入されたからでしょうか。 『ちいかわ』 Twitter (現X)での連載で有名になった漫画です。タイトルやキャラクター画像などを、出版社などの団体名義によらずに出願しています。 出願番号/登録番号区分登録 646230309,16,18,25, 28登録 664926303, 05, 08, 10, 14, 20, 21, 24, 26, 29, 30, 32, 35, 36, 38, 41, 43 ※キャラクター画像も出願されています(登録第6648272号) 作中に「食」にまつわるエピソードが多いことから、食品・飲食業(カフェなど)とも活発にコラボされたり、クレジットカードとのコラボが話題となりましたが、それらの商品・役務が後から追加で出願されています。 実際にタイトル名やキャラクター名をどういったものに使用するかによって、指定する商品・サービスの範囲が変わってくるんだね 全部の商品で出願しても費用がかさんじゃうから、何に使うかをよく考えて出願を検討しようかな! 弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARKは、商標だけでなく、著作権の相談にも対応可能です。ご自身の漫画の権利関係についてお悩みがあれば、ぜひご相談ください。 商標弁理士に相談してみませんか? 商標のことで、もっと知りたいこと、お悩みごとはありませんか? 商標登録のメリットや手続きについて専門家に相談してみませんか?経験豊富な商標弁理士があなたの疑問にお答えします。 お問い合せフォームへ進む