大切な商標はバリエーション豊かに登録!(「ポケモン」商標を例に)

ウチの会社にとって凄い重要な商品があるから商標を取りたいんだけど、どういう感じで商標出願すれば良いのかな…
とりあえず商品名をそのまま商標出願しようかと思ってるけど、それだけで本当に商品を保護できるのかな。
商品名やサービス名を商標出願する場合、通常であれば、その商品・サービス名自体を文字やロゴとして出願するということになるかと思います。
しかし、その商品・サービスが非常に重要なのであれば、バリエーション豊かに商標登録を行うという方法も考えられます。
目次 Index
  1. 大切な商品・サービス名の商標登録方法について
  2. 商品・サービス名をバリエーション豊かに商標登録する!
    1. 「ポケットモンスター」の商標について
    2. 略称「ポケモン」での商標登録
    3. 「ポケモン」のキャラクターでの商標登録
  3. まとめ

大切な商品・サービス名の商標登録方法について

例えば「Amazing DX」というサービス名を商標登録する場合、通常であれば、その「Amazing DX」というサービス名自体を、文字やロゴによって商標出願するという流れになります。

しかしながら、「Amazing DX」で商標登録をしていても、「Amazing DX」の形を変えた「Amazing GX」や「Amazing EX」といったサービス名を無断で使用されてしまう恐れはあります。

ここで仮に商標権侵害として訴えた場合、「Amazing DX」と「Amazing GX(EX)」が類似していると判断されれば名称の使用の差止めができますが、似ていないと判断された場合は、そのまま勝手に使用されてしまうことになります。

※商標の類似・非類似の考え方については、以下の記事をご覧ください。

商品・サービス名をバリエーション豊かに商標登録する!

このような場合に備えて、非常に大切な商標についてはバリエーション豊かに商標登録をするという方策もあります。

商標を様々な形で登録しておけば、商標の形を少し変えただけの悪質な使用に対しても対抗しやすくなります。

例えば、非常に有名なゲームタイトルである『ポケットモンスター』も、様々なパターンで商標が出願されておりますので、ここで紹介します。

「ポケットモンスター」の商標について

特許庁のデータベースで「ポケットモンスター」で商標検索してみると、様々な形で商標が登録されていることが分かります。

その中には、「ポケットモンスター赤」や「ポケットモンスター緑」といった実際にリリースされているゲームタイトルと同じ商標もありました。

一方で、「ポケットモンスター黒」や「ポケットモンスター白」といった、リリースされているタイトルとは異なる形で商標が登録されていることもありました(実際のタイトルは『ポケットモンスターブラック』と『ポケットモンスターホワイト』であり、こちらも同名の商標登録がありました)。

ちなみに、2022年の11月にリリース予定の『ポケットモンスタースカーレット』は、2009年に同名の商標が出願され、2010年に登録されています。
同時にリリース予定の『ポケットモンスターバイオレット』は、2009年の出願がないことから、恐らく当時はタイトルとして使用する意図はなかったものと思われますが、一時ネットで話題となっていました。
なお、「スカーレット」と「バイオレット」は、2022年の2月に共に新しく商標が出願されており、無事登録となっています。

他にも様々な形で登録されており、これだけでも、『ポケットモンスター』というタイトルが大切に扱われていることが分かります。

【参考】上記の登録商標とその登録番号

商標登録番号
ポケットモンスター赤5222900
ポケットモンスター緑5222901
ポケットモンスター黒5222904
ポケットモンスター白5222906
ポケットモンスターブラック5341300
ポケットモンスターホワイト5341301
ポケットモンスターブラック ※ロゴ5382409
ポケットモンスターホワイト ※ロゴ5379845
ポケットモンスタースカーレット5341304
ポケットモンスター スカーレット ※2つ目6617377
ポケットモンスター バイオレット6617378

略称「ポケモン」での商標登録

『ポケットモンスター』は、その略称である「ポケモン」単体でも商標登録がされています。

初代『ポケットモンスター』が発売された1996年の翌年である1997年時点でいくつもの出願があります(「商標登録第4299003号」など)。

またそれだけではなく、アニメでは「ポケットモンスター、縮めてポケモン」というフレーズが繰り返し述べられる等、様々な場面で略称が使用されています。

このように初期の段階から商標を取得し、かつ積極的に使用していったおかげか、『ポケットモンスター』だけでなく、略称の「ポケモン」も著名になっています。

悪質な第三者による使用を防止する上で、略称を商標登録しておくことは非常に重要であると言えます。

最近では、同じく任天堂株式会社の有名なゲームタイトルである『マリオカート』の略称である「マリカー」を使用して、無関係な第三者が公道カートを運営するという事件がありました。
また、公道カートを運営する相手方により「マリカー」という名称が商標登録され、これに対して任天堂株式会社により商標登録を取り消すべき旨の請求(異議申立)がされましたが、却下されたという経緯があります(異議2016-900309)。

幸い本件では、公道カート運営者による「マリカー」の使用は不正競争防止法に違反するとして差止め等が認められました。
また、「マリカー」の商標についても、その後に改めて無効審判が請求され、全て認められました。
【参照】任天堂株式会社のニュースリリース

しかしながら、(ケースバイケースではありますが)正式名称とその略称は、単純に商標が似ているかどうかという観点でいえば、似ていないと判断されることが多いと考えられます(音数が大きく異なり、言葉を縮めることにより読み方も違ってくるため)。
略称も著名となっていれば第三者による商標登録を無効にすることができるかもしれませんが、有名なゲームタイトルであり、かつ略称も比較的知られていた『マリオカート』でさえ、上記の通り「マリカー」商標登録を取り消すべき旨の請求が一度は却下されています。

そのため、略称も非常に大事であり、今後の使用を考えているのであれば、正式名称と一緒に略称も商標登録しておいた方が安全であると言えます。
なお、「マリカー」の商標については、追って任天堂株式会社により商標出願がされ、2022年9月末に無事登録されたようです(「商標登録第6620461号」等)。

「ポケモン」のキャラクターでの商標登録

また、『ポケットモンスター』は、そのタイトルだけではなく、登場するキャラクター(ポケモン)についても商標登録がされています。

例えば、初代『ポケットモンスター』に登場する「ピカチュウ」や「ヒトカゲ」といったキャラクターは、イラスト付きで商標登録がされています。
また、2022年リリース予定の『ポケットモンスタースカーレット』と『ポケットモンスターバイオレット』に登場する「伝説のポケモン」である「コライドン」と「ミライドン」も、2022年5月に商標出願がされています。

【商標一覧】
ピカチュウ:商標登録第4247910号など
ヒトカゲ :商標登録第4288309号など
コライドン:商願2022-60866(出願番号)
ミライドン:商願2022-60867(出願番号)

『ポケットモンスター』は登場するキャラクターがとても魅力的で、非常に多くのグッズ化がされており、「ポケモンセンター」というゲーム内の施設になぞらえたグッズ販売店も運営されています。

キャラクターのイラストなどは著作権法でも保護されるかもしれませんが、キャラクターの名称については、著作権法による保護は難しいと考えられるため、商標登録しておいた方が安全です。

ご自身の商品やサービスについても、もし関連キャラクターが存在し、グッズ化などを考えているのであれば、商標登録をしておくことをお勧めします

まとめ

上記の通り、大事な商標については、悪質な第三者による使用を防止するため、バリエーション豊かに商標登録を行うという方策があります。

ただし、商標は出願すればするほど、出願や登録、また維持のための費用がかかります。

そのため無際限に商標出願をすることは現実的ではなく、ご自身のビジネスの方針を踏まえて、出願する商標と出願しない商標の取捨選択が必要になると考えます。

どのように商標を出願すれば良いのか、その方針で迷われている場合は、一度弁理士などの専門家へ相談することをお勧めします。

※Amazing DXでは右下の「吹き出しマーク」をクリックしてご相談事項を送信することで、簡単にご相談いただけます。経験豊富な弁理士が回答しますので、是非ご活用ください。

なるほど、商品名をしっかり保護するために、色々な形で商標出願するという方法もあるんだね!
とりあえず商品名だけを商標出願すれば良いって考えてたから、一度何を出願するべきなのか検討し直してみるよ。
お役に立てて良かったです!
また、Amazing DXでは、簡単に低価格で商標出願を行うことができます。
無料で似たような商標が無いか検索することもできますので、宜しければ是非ご利用ください!
わかったよ!
ありがとう、DXくん!
supervisor
Supervisor for the article:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
大阪法務戦略部長 八谷 晃典
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