外国で商標を登録する方法:マドプロ(国際商標登録)出願を解説! 外国商標制度商標に関する手続用語解説 2022年8月9日 2023年6月21日 Amazing DX guide 外国で商標権を取得するには? 外国で商標権を取得しようと思っているんだけど、どうすればいいんだろう?権利を取りたい国毎で、出願や登録の申請をするとなると、その分、時間や手間がかかるから大変そう。簡単にできる良い情報があったら教えて欲しいよ。 権利を取りたい国毎にそれぞれ出願する方法の他には、「マドリッド協定議定書(マドリッドプロトコル)による国際出願」制度を利用して一括で出願することができます。制度を利用するための要件や注意点はいくつかありますが、要件を満たしていれば、手続きや商標の更新の管理を簡略化できるのでお勧めです。 マドリッド…長い名前の制度の概要や注意点を詳しく聞いてみたい!さっそく、教えてよ! この記事では、「マドリッド協定議定書に基づく国際登録出願(略してマドプロ出願)」について、その制度の概略を解説します。 商標の国際登録制度とは? マドプロ出願とは、マドリッド協定議定書(マドリッドプロトコル)という商標の保護に関する国際条約を利用した商標の国際登録出願のことを指します。 保護を希望する国を指定し、日本の特許庁を介して世界知的所有権機関(WIPO)の国際事務局に国際登録のための書類を提出する手続を行います。 外国で商標登録をする場合、通常であれば権利取得を希望するそれぞれの国で個別に出願手続きを行う必要があります。一方、これから解説するマドプロ出願の場合は、日本特許庁に出願手続きを行うことで、複数の国に一括して手続きを行うことが可能になっています。 各国への直接出願とマドプロ出願のメリット・デメリットについて、以下記事で解説しています。ご参照ください。 海外への商標登録は必要?出願・登録の方法は? マドプロ出願が利用できる国・地域 2022年7月時点で、110を超える国と地域でマドプロ出願を指定できます。アメリカやEU、中国をはじめ、東南アジアや中南米の国々も締約国となっており、締約国は増加傾向にあります。詳細は、以下特許庁のウェブサイトにてご確認いただけます。 ・参考:特許庁 【商標の国際出願】締約国一覧https://www.jpo.go.jp/system/trademark/madrid/madopro_kamei.html マドプロ出願の要件 日本を本国官庁としてマドプロ出願をするには、以下の要件(1)から(6)を満たしていることが前提になります。 基礎となる商標について (1) マドプロ出願の基礎となる商標が、日本特許庁に出願または登録されていること(2) マドプロ出願する商標と、その基礎となる商標とが、同一であること(3) マドプロ出願で指定する商品または役務が、その基礎出願または基礎登録の指定商品または役務ち同一かその範囲内であること(4) マドプロ出願の出願人が、その基礎出願または基礎登録の出願人または名義人と同一であること 出願人適格について (5) マドプロ出願ができる者は、日本国民または日本国内に住所または居所(法人の場合は営業所)を有する外国人(6) 2以上の出願人がいる場合、出願人の全員が(1)の要件を満たしていること 注意事項 手続きが一元化されているため、各国の事情に応じた出願ができにくいため、各国の審査において拒絶理由を受けることがある マドプロ出願では、出願後に指定商品(役務)の区分の変更が認められない セントラルアタック(※)により、各国の登録が失効してしまう可能性がある。 ※セントラルアタックとは、マドプロ出願の基礎出願または基礎登録が所定の期間(国際登録の日から5年以内)内に拒絶確定や無効等となった場合、そのマドプロ出願での各国の権利が失効してしまうことです。なお、その場合、同一の範囲内で各国の国内出願として再出願することができる救済措置が設けられています。 なるほど!マドプロ出願をするためには、まずは日本での商標出願・登録商標が必要なんだね。 まとめ いかがでしたでしょうか?マドプロ出願の概略はお分かりいただけたと思います。マドプロ出願をするためには、前提として、日本特許庁における商標登録出願又は登録商標を基礎にして行う必要があります。 当事務所では「Amazing DX®」という、商標登録に関する手続きをオンライン(ウエブサイト上)で完結できる独自サービスを提供しています。チャットを利用してやりとりできますので、お気軽にご活用ください。また、「Amazing DX®」では、商標に関する様々なコンテンツを提供しておりますので、ぜひご参照ください。 国内の出願から登録までのやりとりは弁理士が行いますので、サービスの品質を担保しながら、価格を抑えつつ、スピーディーに手続きができます。まずはアカウント登録からお試しください。 マドプロ出願の手続きや、その後の各国対応についても、当所の外国関連業務の経験豊富なスタッフが引き続き担当いたしますので、安心してお任せいただけます。 各国の情報については、こちらのページからご確認いただけます。 外国商標出願は、外国に特化した弁理士事務所にお任せを。 当所は、創業以来、多数の外国事務所とお付き合いを重ねてまいりました。米国、欧州、韓国などはもちろん、アフリカや中南米、中東にも対応しております。 あらゆる国に対応した、HARAKENZOの外国商標出願サービスを、ぜひご体感ください。 Amazing DXの外国出願 この記事の監修者: HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK 大阪法務戦略部長 八谷 晃典 スペシャリスト, 弁理士, 特定侵害訴訟代理人, 監修者