「1出願多区分」と「1区分毎に複数の出願」、どちらを選ぶべき?

多区分に渡る商品を指定した上で、商標を出願することになったよ!この場合は、1つの出願で複数の区分を指定したほうがよいのかな?
もう一つの方法としては、1区分ずつ、複数出願する方法があります。それぞれの方法にメリットとデメリットがあります。

本記事では、1つの商標を多区分について登録を受けたい場合のポイントについて説明します。

1つの商標を多区分について登録を受けたい場合

まず、区分とは、事業として提供される商品・サービスを45にカテゴリー分けしたものです。
商品は第1類〜第34類、サービスは、第35類〜第45類に分類されています。

1つの商標を多区分について登録を受けたい場合、方法としては、以下の2つがあります。

① 1つの出願で、複数の区分の商品・役務(サービス)を指定する
② 1つの区分の商品・役務を指定し、1区分ずつ複数出願する

①を選択した場合のメリット・デメリット

メリット
・区分ごとに複数の出願をした場合と⽐べ、特許庁へ⽀払う特許印紙代や、事務所へ依頼した場合の⼿数料などのトータルの費用が抑えられます。

・区分ごとに複数の出願をした場合は、出願ごとに、商標登録の更新などの⼿続きを⾏う必要があります。
一方、複数の区分を指定して1つの出願とした場合は、更新の⼿続きも1つですみます。

デメリット
・審査の段階において、複数の区分の指定商品・役務のうち、ある⼀つの区分の指定商品・指定役務に拒絶理由があり、残りの区分の指定商品・指定役務に拒絶理由がなかった場合、拒絶理由がない区分についての商標登録が遅れることがあります。
または、拒絶理由がない区分も含まれて、出願が拒絶される場合があります。

②を選択した場合のメリット・デメリット

メリット
・指定した区分の指定商品・指定役務に拒絶理由がない場合は、即登録となります。そのため、①に比べて早く登録される可能性があります。

デメリット
・出願ごとに特許印紙代や代理人へ支払う手数料が、商標出願の数だけかかります。
その分、①に比べて料金が多く発生してしまいます。
・出願ごとに願書を作成したり、補正などの応答をしなければなりません。そのため、①に比べて、書面の記載の確認や手続に関する業務も多く発生してしまいます。

①と②、結局どちらを選べばいいの?

コストを抑える・手続きを簡単に済ませたい方は、方法①がおすすめです。

一方、事業の計画等の関係で早期の権利の取得を目指すのであれば、方法②を選択するほうがよいと考えます。

その他、出願前の調査を⾏い、登録の可能性が高い区分とそうでない区分を事前に調べることをお勧めします。調査の結果を考慮して、権利化が難しそうな区分と、権利化が見込める区分のそれぞれで出願する、という方法もとり得るためです。

なるほど!商標権をいつごろ取得したいかや予算等に応じて、どのように出願するか判断すればいいんだね!
なるべく低予算で出願したいから、今回は多区分を1つの出願で行うかな。
コストのカットを重視するなら、そのほうがいいでしょうね。
ありがとう!これから商標を他区分で出願する際には、商標を使用する計画に応じて考えてみるよ。

どのように出願をするか、お悩みの方は当所までご相談ください。

商標の出願件数は増加傾向にあることから、出願後何らかの通知を受領するまでに、約10ヶ月~12ヶ月ほどかかっています。
その点も視野に入れた上で、他区分を1つの出願で指定するか、それとも1区分ずつ出願するかを決めるとよいでしょう。

もし、事業計画等やコストの関係で、どのように出願するかお悩みの方は当所までご相談ください!
お悩みの点をヒアリングした上で、後の出願の計画をご提案することが可能です。

supervisor
この記事の監修者:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
大阪法務戦略部長 八谷 晃典
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