商標登録の維持にかかる費用?特許庁への払い方による違いを解説

商標登録する前に、初期費用だけじゃなくて、ランニングコストについても慎重に考えないと。
でも、商標権の維持費用って、どう考えればいいんだろう。
商標権の維持費用は、基本的には「登録料」と「更新登録料」で考えればいいですよ。
商標権の年間維持費用は、支払い方によって変わってきます。
支払い方で変わる? どういうこと?

以下の記事では、商標登録のランニングコスト(維持費)について解説します。

商標登録の初期費用は「出願料」

まず、商標登録を受けるためには、特許庁に商標を出願する際に払う料金がかかります。
これに加え、代理人を選定する場合には、代理人に支払う手数料がかかります。

※デザイン料や調査費用が別途かかる場合があります。

商標登録の維持費は「登録料」+「更新登録料」

登録査定を受けたら、求める権利の期間に応じて、5 年または 10 年分の登録料をまとめて特許庁に支払います。
また、10年たって更に権利期間を延ばしたい場合、特許庁へ更新を申請するとともに、5 年または 10 年分の更新登録料をまとめて特許庁に支払います。
これに加え、代理人を通じて納付する場合には、代理人に支払う手数料がかかります。

※取消審判を起こされた場合などのトラブル対処費用や、ウォッチングなどのトラブル回避費用が別途かかる場合があります。

特許や意匠権と違って毎年費用がかかるわけじゃないんだね。商標権は無形固定資産だから、建物みたいな固定資産税もかからないんだ。
会計上はどう処理すればいいんだろう。

会計上は、登録までは損金として処理、登録以降は法定耐用年数 10 年で償却します。

登録料の納付の書類や手続についてはこちら

費用の支払い方で年あたりの維持費は変わってくる

ところで、5 年納付と 10 年納付では、前者の方が庁費用も代理人手数料も割高であるため、年あたりの維持費に換算すると差があります。

例: 1 区分の商標を Amazing DX で登録した場合の登録料
※2022年4月1日からの費用を参照しています

支払い方法庁費用+代理人手数料年数1 年あたりの維持費
5 年払い32,200円 (17,200円+15,000円)÷56,440円
10 年払い47,900 円(32,900円+15,000円)÷104,790円

商標を長く使うのであれば、10年払いの方が得になります。

発生する費用のイメージ

登録料や更新登録料を 10 年払いした場合の費用の例

Amazing DX を通じて 10 年払いで登録料・更新登録料を納付した場合の商標費用(1商標・1区分、更新20年分)の例です。
初期費用と維持費用の金額を合わせると、 30 年間で 185,900円です。
※2022年4月1日からの費用を参照しています

1商標・1区分について5年払いを続ける場合の費用の例
10年納付の場合の出願費用+維持費用の例(1商標・1区分)

登録料や更新登録料を 5 年払い(分割納付)した場合の費用の例

同じく、Amazing DX を通じてずっと 5 年払いで登録料・更新登録料を納付した場合の費用の例(1商標・1区分、更新20年分)です。
上のグラフと権利存続期間は同じ 30 年ですが、初期費用と維持費用を合わせると総額は 236,400円です。
※2022年4月1日からの費用を参照しています

1商標・1区分について5年払いを続ける場合の費用の例
5年払いの費用の例(1商標・1区分)

※5 年分の前期登録料を払った後、10 年分の更新登録料を払うことはできません。
 登録料の分割納付はあくまでも「分割払い」で、10 年分を支払うことが前提です。

特許庁の費用が割高だし、代理人等に支払う手数料も毎回かかるから、5 年払いの方が損だと思うけど。
どうして 5 年払いの制度があるのかな?
商標は長く使うことが前提ですが、一過性のブームなどで、使用期間が短いこともあります。
そういう場合は、10 年も商標を維持しておく必要がないので、5 年払いにしておいて、最初の 5 年だけ払う方が得ですよ。

維持費を安くするにはどうしたらいいのか?

商標権をたくさん持っていると、更新登録料が負担になるケースもあるでしょう。
そのような場合に、できるだけ費用を安くする方法について紹介します。

商標を使う時期に沿った年数で更新する

上記のように、商標を長く使うのであれば、10年払いの方が得です。
逆に、あと5年以内に商標の使用をやめるのが分かっていれば、5年だけ納付したほうが得です。

登録時や更新時に区分を減らす

出願時にはたくさんの区分を指定していたけれど、実際にはそんなに多くの商品に商標を使わなくなってしまった……というケースもあるでしょう。
そんなときは、登録料の納付時や、更新登録料の納付時に、使わない区分を減らすということが考えられます。
商標登録料や更新料は区分数によって変化するため、安くできます。

※その商標登録を基礎にしてマドプロ出願をしている場合、区分を減らすとマドプロの権利範囲も狭くなってしまいますのでご注意ください!

手数料の安い弁理士や特許事務所にお願いする

登録や更新の際に、代理人手数料がかかりますから、代理人は手数料の安い事務所や弁理士を選んだ方が、維持費は安く抑えられます。

だったら代理人に頼むより、自分で登録料を納付したほうが安いんじゃないの?

ところが、自分で手続をすることにはデメリットもあります。
商標権とはそもそもトラブルが起きた際に備えて取得するもの。
他人に勝手に自分の名前を使われた、商標を使っているといって警告書を送られた、などのトラブルが発生してから慌てて弁理士を探していると、取り返しのつかないことになりかねません。

更新管理を依頼して、ずっと寄り添ってくれる代理人を味方につけることで、いざという時、安心して対処できます。

そうか、安さばかりに気を取られていると本末転倒だ。本当に大事なのは、ビジネスをトラブルから守ることだった。
「安心」と「コスト」のバランスを取って代理人を選ぶのが大事だね!

Amazing DXなら、安心・リーズナブルな弁理士サービスを受けられます

Amazing DXは、商標管理コストを最低限に抑えつつ、大手特許事務所による安心のサービスを提供します。
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この記事の監修者:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
大阪法務戦略部長 八谷 晃典
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