商標調査とは?重要性と調査の方法を解説 商標出願前トラブル回避 2023年10月20日 2024年7月16日 Amazing DX guide 商品名が決まったよ!さっそく商標出願しよう! それはいいですね!ところで、商標調査はしましたか? 商標調査? なにそれ? 商標調査は、商標が登録になりそうかどうかを、出願前に調査することです それってどうやってやるの? そもそも、絶対やらないとダメなのかな? 商標調査とは 「商標調査」とは、商標出願をする予定の商標が、実際に登録になりそうかどうかを事前に調査することです。 商標出願をすると、出願された商標が登録してもよいものかどうか、特許庁で審査されます。 商標調査では、特許庁で審査されるポイントを踏まえて、審査官がどのように判断するかを予想します。 商標調査の重要性 商標調査は、商標出願するにあたって必須ではありません。 商標調査をしないまま商標出願しても、特許庁の審査で不利になることはありませんし、逆に、商標調査をしたからといって、登録されやすくなるということもありません。 では、なぜ商標調査をするのでしょうか? 商標調査をするのは、早い段階でコストとリスクを検証し、対策を立てるためです。 コストの観点 商標出願をするには、少なくとも、特許庁へ支払う出願料が必要になります。 そして、出願料は、たとえ審査の結果その商標が登録できないことになったとしても、返還されません。 そのため、登録できない商標を出願してしまった場合には、出願料はみすみすムダになってしまいます。 自分で商標出願していれば特許庁への出願料だけで済みますが、弁理士に依頼していればその相談料、ロゴや図形をデザイン会社に発注していればその費用も、ムダになったり追加費用が必要になったりしてしまいます。 また、商標を決めたり、出願を準備したりするのにかかった手間がムダになってしまうことも、小さい問題ではありません。 リスク検証と事前対策の観点 なら、費用や手間がどれだけかかってもいいなら、商標調査はしなくてもいいのでしょうか? もちろん、そういう考え方もあります。しかし、もしあなたが、「ブランディング」の一環として商標を活用しようとしているなら、単にそれだけの問題ではありません。 ブランディングとは、綿密に計画を立てて行うものですから、商標が登録になるにしろならないにしろ、その予測に応じた対策を練っておくことが重要です。 商標調査をすれば、その商標が登録になりそうなのか、登録することは難しそうなのかを事前に予測することができます。 登録が難しそうだ、ということが分かっていれば、もっと登録可能性が高い商標に変えることを検討できます。 あるいは、「いや、それでも絶対この商標がいいんだ」となれば、その商標を何とか登録に持っていくために必要なコスト(費用・手間)を事前に見積もって準備しておくことができますし、それでも登録にならなかったときのために次善策を用意しておくこともできます。 また、調査の結果によっては、「登録することは難しいけれど、この商標を使うこと自体には今のところ問題ありませんよ」という結論になることもあります。 商標は、ブランディングにとって重要な要素の1つです。商標が登録になるかどうかという点にあらかじめ予測を立てておかなければ、ブランディング全体の計画も大きく狂ってしまう可能性があるのです。 商標調査の内容 商標調査では、どのようなことを調査するのでしょうか。 出願後の実際の審査において判断されるポイントは多岐にわたりますが、大きく分けると「絶対的拒絶理由」と「相対的拒絶理由」の2点を調査することが必要です。 絶対的拒絶理由の調査 絶対的拒絶理由とは、その商標自体の性質に関する拒絶理由です。 識別力がない/低い商標や、他人の名前や有名なペンネーム等を含む商標、公序良俗に反する商標などがあります。 絶対的拒絶理由の調査で特に重要なのは、「識別力」の観点です。 その商品・サービスの分野で普通名詞化された言葉または慣用されている言葉だったり、単に品質を示しているに過ぎない言葉だったり、その商品の産地の名だったりする場合には、識別力がない/低いと判断されて、登録が拒絶されます。 識別力について、詳しくは、下記の記事をご確認ください。 商標の登録要件としての「識別力」について 絶対的拒絶理由の調査は、主にインターネットを使って調べます。 その商標に含まれる言葉が、指定商品・サービスの分野で使用されているか、使用されているならどのように使用されているか、たくさん使用されているのかそうでもないのか、などを検討して、拒絶理由に当たるのかを判断します。 相対的拒絶理由の調査 相対的拒絶理由とは、簡単に言うと、先に出願・登録されている商標(=先行商標)があるかどうか、です。 同一または類似の商品・サービスに関する、同一または類似の商標が先に出願・登録されている場合、後から出願された商標は登録できません。 先行商標があるかどうかの確認は、商標のデータベースを使って調べます。 無料で使えるデータベースとしては、「特許情報プラットフォーム J-Plat Pat」があります。 J-Plat Patを使った先行商標の調べ方は、以下の記事で詳しく紹介しています。 商標調査:登録できるか出願前に検索! 相対的拒絶理由に関するポイントは、「指定商品・サービス」および「商標自体」のどちらに関しても、「類似」の範囲も対象となる点です。 つまり、「完全一致」のものだけではなく、「似ている・紛らわしい」ものも先行商標とされ、拒絶される理由となります。 商品・サービスが似ているかどうかは、基本的には「類似群コード」が同じかどうかで判断します。 一方、商標自体が似ているかどうかには、類似群コードのような分かりやすい基準はありません。 称呼(読み方)・外観(見た目)・観念(意味)の3要素に関し、それぞれの要素についてどの程度似ているか、また3要素を総合的に考え合わせて似ているか、を判断します。 「類似群コード」と「商標の類似」に関する詳細は、下記の記事もご参照ください。 類似群コードとは。類(区分)が異なる商標でも安心できない? 商標の類似とは?その判断基準について解説! 外国での商標調査 商標は、国ごとに出願・登録する必要があります。 そのため、日本だけでなく外国でも商標登録したい場合には、出願したいそれぞれの国で商標調査を行うことをおすすめします。最近は外国の商標を調査できる一般人向けのサイトも提供されており、簡単なことなら自分でできるようになりました。 特に外国については、制度も違えば人の感覚も違うので、日本の感覚からは想像もできなかった拒絶理由がある場合もあります。 海外での出願・登録には、費用も手間も日本以上にかかることが多いので、事前の調査がより大切です。 なるほど、商標調査は絶対やらなきゃいけないわけではないけど、やっておく方がよさそうだな 日本の場合、自分でもできなくはなさそうだけど……それでいいのかな? 商標調査の方法 商標調査を行う方法は、「自分でやる」方法、「専門家に依頼する」方法、「オンラインサービスを利用する」方法の3つがあります。 自分でやる ここまで説明したとおり、日本での商標調査に必要なのは一般的なインターネット検索と商標データベースの2つなので、自分で調査することもできます。 ただし、「これってどうなのかな?」という情報が出てきたときに、それが問題なのかどうかを判断するには、多くの知識と経験が必要です。そのため、商標調査や出願に慣れていない方には、ハードルが高いでしょう。 この方法が費用面では1番低コストで済みますが、判断が難しい場面も多いですし、結構な手間がかかるので、商標の検討段階で候補をしぼりこむとき等に、まず一旦確認してみる、というスタンスで行うとよいですね。 ある程度出願したい商標が固まっている段階であれば、「検索したけど何にも情報・先行商標が出てこなかった」という場合でない限り、この後紹介する専門家やオンラインのサービスを利用することを検討するのがベターです。 専門家に依頼する 商標の専門家である弁理士・知的財産事務所に、商標の出願前調査を依頼することができます。 プロが対応するので、単にその商標が登録になりそうかどうかだけではなく、何をどう変えれば登録可能性が上がるのかなど、商標について関連する事柄を含めについて、あなたのビジネスに合わせたアドバイスを受けることも可能です。 出願・登録を見据えた現実的なサポートを受けることができるので、その商標に特に思い入れの強い方は、弁理士・知財事務所に依頼するのがおすすめです。 調査の後、日本での出願だけでなく、海外での出願にも対応できる事務所も多いので、1つの商標に関する戦略をトータルで任せられるのもメリットです。 ただし、プロへの依頼なので、それなりの費用が必要になります。調査費用は事務所によって異なりますし、商標の態様(文字なのか図形なのか、等)や調査範囲(指定商品・サービスの量や、どの範囲の拒絶理由を確認するか等)によっても様々なので、見積を取るときにはきちんと説明を受けましょう。 オンラインサービスを利用する 最近では、オンラインで完結する商標サービスも提供されています。 利用者がサービスを使って自分で検索をかけると問題となりそうな商標の一覧などの結果が表示される、という形式のため、従来の弁理士や知財事務所に依頼するよりも安価に利用できます。 オンラインサービスの場合は、基本的に相対的拒絶理由(先行商標の有無)のみの調査であったり、調査結果も簡易的なものであったりと、専門家によるフルサービスと比べれば、内容の充実度はどうしても下がってしまいます。 ただ、「自分だけでは判断をつけられないけど予算が限られている」という方や、「ある程度登録の可能性があることさえ分かれば、とりあえず出願したい」という方にはちょうどいい選択肢と言えるでしょう。 私の場合、商品名を決めてはみたけど、ロゴデザインはまだ作っていないし、調査で登録の可能性が低いことがわかったら商標を変えることもできるな ならこの商標の調査は、費用を抑えるためにオンラインサービスを使ってみよう! 当所のオンライン商標調査・出願サービス:Amazing DX 当所のオンライン商標サービス「Amazing DX」では、出願前の先行商標調査(商標検索)が、誰でも、無料で、何度でもご利用いただけます。 調査だけなら会員登録も不要なので、面倒な手続不要で、気兼ねなくお使いいただけるのが特徴です。 日本の大手国際知財事務所が運営するサービスなので、調査結果に疑問や不明点あるときには、商標を専門的に担当する弁理士から素早くわかりやすい説明を受けることができます。 Amazing DXの無料調査は、先行商標、つまり相対的拒絶理由に関する簡易調査のみです。しかしながら、簡易調査と言っても使用の適否を確認するという的を絞った調査ということができます。なお、より詳しく正確な調査(絶対的拒絶理由および相対的拒絶理由を含む)をしたくなったら、弁理士による有料のフル調査に切り替えることも可能です。 商標調査が必要だなと思った方は、ぜひ1度、Amazing DXをお試しください。 商標出願の前にリスクを回避しましょう! リスクを事前に確認しませんか?商標検索することで、競合他社や既存の権利者との衝突リスクを減らせます。 まずは、商標とヨミガナを入力し、特許庁に出願されている商標を無料で検索してみましょう。 商標 : ヨミガナ: 無料で商標検索する この記事の監修者: HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK 森山 浩 リサーチャー, 弁理士, 監修者