タイの商標登録に必要な情報とポイント

タイで商標登録するとしたら、どんな手続きが必要なのかな？

商標登録をするには、タイ語での手続きが必要です。願書や委任状（公証が必要）などの書類を提出します。また、商標の分類には国際分類が使われます。

なるほど。それで、タイでは商標登録にどのくらいの時間がかかるんだろう？

現在の審査期間は10ヶ月から18ヶ月ほどです。ただし、拒絶理由がなければその期間内に登録が完了します。

タイで商標登録をする際のポイント

タイにおいて商標権の権利保護を行うためには、いくつかの重要な情報を知っておく必要があります。この記事では、商標登録に関する基本的な情報を分かりやすくまとめました。

海外での知財保護に役立てていただければ幸いです。

平均的な審査期間

タイで商標登録を申請してから実際に登録されるまでの審査期間は、通常約10ヶ月から18ヶ月程度かかります。

ただし、拒絶理由がなければこの期間内に登録が完了することが一般的です。

商標登録が可能な標章の種類

タイでは、以下のような標章が商標として登録できます。

• 写真、絵画、図形
• ブランド名、商品名
• 語句、文字、数字、署名
• 色彩の組み合わせ
• 物体の形状や形象
• 音（2016年法改正により追加）

商標法の保護対象

タイの商標法では、以下の種類の商標が保護の対象とされています。

• 商標
• サービスマーク
• 団体商標
• 証明商標

出願時の注意点

商標登録を申請する際には、以下の点に注意が必要です。

① 手続きはタイ語で行われます。

② 提出書類には願書、委任状（公証が必要）、商標見本、優先権証明書（優先権を主張する場合）が必要です。

③ タイでは1出願につき複数区分の商品やサービスを申請できます。但し、現在は分割が認められていませんので、審査において複数区分のうち１部が拒絶された場合、拒絶を受けなかった区分の登録手続を先に進めることができません。

④ タイはニース協定には未加盟ですが、国際分類は採用されています。

※2017年11月7日よりマドプロ出願が可能となっています。

商標の言語使用に関する注意点

商標登録時に、英語とその英語に対応する（同音の）タイ語を併記することが可能です。

ただし、英語又はタイ語のどちらか一方を使用している場合、第三者との紛争が生じたときに商標の使用が認められるかどうかについては、先例がないため不明です。

そのため、商標を英語表記とタイ語表記の両方で使用する場合は、別々に出願することが推奨されています。

主な登録要件

商標登録をするためには、以下の要件を満たす必要があります。

• 識別力がある商標であること
• 法に基づき禁止されていない商標であること
• 他者が登録した商標と同一または類似した商標でないこと

商標登録後の流れ

商標登録申請を行った後は、以下の流れで審査や手続きが進められます。

1. 方式審査: 商標登録申請後、方式審査が行われます。必要に応じて補正命令が出されます。※タイ独自の商品役務リストを採用しています。リストに掲載された商品以外の商品を指定したい場合は、リストに記載の商品と同程度の明確な記載が求められます。
2. 出願公開・審査請求制度: 特許のように出願公開・審査請求制度はありません。
3. 実体審査: 商標登録要件を満たしていない場合は、拒絶査定がなされます。出願人は60日以内に審判を請求することができます。また、補正が必要な場合には、補正命令が出されます。出願人は60日以内に補正書を提出することができます。補正指令に不服がある場合は、審判を請求することも可能です。
4. 公告: 商標登録要件を満たしている場合、商標は公告されます。公告日から60日間は異議申立期間となります。
5. 登録: 異議申立がなかった場合、または異議申立が認められなかった場合、商標は登録査定が行われ、登録料を支払うことで商標権の設定登録がなされます。

登録後の状況

商標が登録された後の状況については以下の通りです。

• 存続期間: 商標の登録は出願日から10年間有効です。
• 更新期間: 商標の有効期間が満了する前の3か月から満了日までの間に、商標の更新手続きを行うことができます。また、満了後の6か月間は追納期間があります。

まとめ

以上が、タイにおける商標登録に関する基本的な情報です。

タイで商標出願をするには、タイの代理人を通して出願することになりますが、事前に審査期間や出願時の注意点、登録要件などを把握しておくことが重要です。

商標登録の流れや登録後の手続きについても理解しておくことで、効果的な知財保護が行えるでしょう。

商標登録は企業やブランドの価値を守るための重要な手続きです。

タイでの商標登録に関する情報をしっかりと把握し、適切な知財保護策を講じることで、ビジネス展開においての競争力を高めることができます。

• 各国の情報については、こちらのページからご確認いただけます。