商標登録は大文字か小文字のどちらがいい？アルファベット商標の疑問を解決！

アルファベットの商標は、大文字でも小文字でも同じなのかな？どっちも使いそうな時はどっちを登録するのがいいのかな？違いはあるの？

結論からいうと、大文字と小文字の違いは殆ど商標権の効力に影響しないので、どちらで商標登録しても大丈夫です。

商標出願前のご相談で、アルファベットの商標については大文字か小文字どちらで登録するのが良いかというご質問がよくあります。
また、アルファベットの商標登録がされているときに、大文字・小文字の違いがあれば、同じアルファベットの商標を使用していいのかどうか悩まれる方もいらっしゃるでしょう。

大文字、小文字の扱い　～アルファベットの商標～

アルファベット商標の場合、大文字か小文字かの違いは殆ど権利範囲に影響しません。ですので、実際に使用する態様で出願するのが良いでしょう。

たとえば、商標「Amazing」を登録した場合に、誰かが「amazing」という商標を使用すれば、登録商標「Amazing」の禁止権の範囲に入るため、使用を禁止させることができます。「AMAZING」や「AmazinG」でも同じです。

また、先行商標と同一/類似の商標は登録を受けることができませんので、「Amazing」という商標を登録しておけば、類似する「AMAZING」や「AmazinG」等について後から誰かが商標登録を受けることはできません。

なお、「アメージング」「あめーじんぐ」など平仮名、片仮名の使用についても禁止することができ、同様に他社の登録を防ぐことができます。

商標権の範囲について

商標権は、登録商標と同一の範囲における専用権と、登録商標の類似の範囲における禁止権があります。

そして、商標が類似するかどうかは、外観・称呼・観念の３点が類似するかどうかによって判断します。

日本における商標の類否判断において最も重要視されるのが「称呼」です。

よって、称呼が同一であれば、大文字小文字の違いがあっても類似商標となるのです。

例えば、「Amazing」という商標登録がある場合、『アメージング』という称呼が生じます。
「amazing」という商標からも『アメージング』という称呼が生じるため、「amazing」は商標「Amazing」の類似商標ということになります。

「Amazing」のような一般に知られた英単語であれば、普通に『アメージング』と読めますので、片仮名の商標を追加で登録する必要はないでしょう。

商標権の効力が及ぶ範囲について、詳しくは以下のリンクをご覧ください。

実際に使用する態様で出願する

アルファベットの大文字と小文字の違いは、商標の権利範囲に殆ど影響を及ぼしませんが、商標出願は、実際に使用する文字で商標登録しておくのが良いでしょう。

例えば、「Amazing」と「amazing」では見た目の印象が少し変わったりするためです。

不使用取消の問題は大丈夫？

登録商標は継続する3年の間に一度も使用していなければ、不使用取消審判により取り消されることがあります。

ただし、登録商標と同一の商標を使用していない場合であっても、社会通念上同一の商標を使用していれば取消が免れます。

社会通念上同一の商標というのは、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標（例：ローマ字の大文字と小文字の違いのみ）や、平仮名、片仮名、ローマ字、漢字の文字種のみ変更した商標を言います。

したがって、大文字アルファベットの商標を出願し、小文字アルファベット商標を使用しているような場合も、社会通念上同一の範囲となりますので、取消審判により取り消されることは有りません。

（※但し、文字種を変更した場合に、商標から生じる観念が同一でなくなるような場合や結合商標の場合は上記と異なる判断がされますので注意してください。）

なるほど、よくわかったよ！大文字か小文字で迷ったら、使う予定が多い方か、正式な表示の方を登録しておけば問題ないね！

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当事務所では「Amazing DX®」という、独自サービスを提供しており、無料の商標調査検索システムを利用することで、先行商標があるかどうかを簡単に確認することができます。
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なお、上記は日本の商標法に基づいて記載していますので、海外で商標登録をしたい場合は、その国の審査基準に合うよう出願をする必要があります。当所は国際特許事務所ですので、海外への商標登録にご興味があればお気軽にお問合せください。