台湾の商標登録ガイド:手続きと保護期間の詳細 外国商標制度 2023年6月5日 2024年1月17日 Amazing DX guide 台湾で商標を登録するには、どんな手続きが必要なんだろう。 中国とは別なのかな? はい、台湾で商標権を取得したい場合、中国(中華人民共和国)とは別で手続きを行う必要があります。 【台湾の商標制度について】 台湾の商標制度 出願ルート 台湾はWTO加盟国ですので、日本で商標を出願している場合は、その優先権を主張することができます。 ただし、マドプロ(マドリッド協定議定書)には加盟しておらずマドプロ出願(商標の国際登録出願)はできませんので、注意が必要です。 出願言語 台湾での商標出願は中国語(繁体字)で行われます。 商標の種類 台湾では、文字、図形、記号、色彩、立体形状、動態、ホログラム、音など、さまざまな商標が保護されます。 また、位置や匂いなどの非伝統的な商標も保護されます。 ただし、防護標章制度や連合商標制度は1998年の改正により廃止されました。 台湾では一出願多区分制度と、商標出願の分割、商標権の分割制度も採用されています。 保護対象 台湾では、以下がが保護の対象となります。 一般商標(商品・役務) 証明標章 団体標章 団体商標 商標分類 台湾では国際分類を採用していますが、ニース協定には未加盟ですので、留意が必要です。 出願に必要な書類・情報 商標出願にはいくつかの書類や情報が必要です。 具体的には、以下の書類が必要です。 委任状の写し 優先権を主張する場合には優先権証明書の写し(中国語の翻訳が必要) また、 商標見本 指定商品・指定役務の区分 出願人の情報 優先権主張の有無 なども提出する必要があります。 台湾の商標出願の流れ 商標出願から登録までの流れは以下の通りです。 出願書類の提出: 必要な書類や情報をそろえて商標出願を行います。 委任状の写しや優先権を主張する場合には優先権証明書(中国語翻訳)などが必要です。 審査期間: 出願から約8か月程度で登録査定又は拒絶査定となります。 審査では、方式審査の経過後、全ての登録要件について実体審査が行われます。 異議申立制度: 台湾では出願公開制度はありませんが、商標登録が認められると公告が行われます。 商標登録の公告日から3ヶ月以内に異議申立を行うことができます。 ただし、異議申立を撤回した後は再度の異議申立や無効審判を請求することはできません。 登録 異議が申し立てられなければ、公告後に商標は登録となります。 商標権の保護期間と更新 商標の保護期間は、商標登録の公告日から10年間です。 10年ごとに更新することが可能です。 更新手続きは、存続期間満了日の前6ヶ月の間に行う必要があります。 期間が満了しても、満了日から6ヶ月以内であれば2倍の更新料金を納付することで更新が可能です。 並行輸入に対する台湾最高裁の見解 台湾では商標権の消尽原則が適用され、登録商標を付した商品が商標権者又はその同意を得た者によって国内外の市場で取引された場合、商標権者は当該商品について商標権を主張することができません。 つまり、商標権者が国内外で商品を取引した場合、その商品は台湾国内での並行輸入によって商標権の侵害とは見なされません。 ただし、同一商標が国内外で異なる商標権者に取得され、一定の経済上の関連性がある場合は、商標権の消尽原則の適用について異なる意見が存在しました。 最近の台湾最高裁の見解では、商標権の消尽原則が適用されることが確認されています。 台湾最高裁は2020年1月30日の民事判決(108年台上字第397号)で、「商標権者が同一の商標について、自ら又は他人に許諾して複数の国で商標権を取得した場合、異なる国における商標権者に互いに許諾関係、又は法律上の関係があれば、許諾を得た商標権者に対し、消尽の効果が生じる。」との見解を示しています。 まとめ 以上が、台湾の商標制度についての基本的な情報です。商標の登録手続きや保護期間、並行輸入における最高裁の見解などを解説しました。 台湾の商標制度では、商標登録手続きが重要です。審査期間を経て商標が登録され、一定期間保護されます。商標利用を考える際には、これらの要点を押さえておくと良いでしょう。 台湾で商標を利用したい方は、これらの情報を参考にして、適切な手続きを行うことをおすすめします。 • 各国の情報については、こちらのページからもご確認いただけます。 外国商標出願は、外国に特化した弁理士事務所にお任せを。 当所は、創業以来、多数の外国事務所とお付き合いを重ねてまいりました。米国、欧州、韓国などはもちろん、アフリカや中南米、中東にも対応しております。 あらゆる国に対応した、HARAKENZOの外国商標出願サービスを、ぜひご体感ください。 Amazing DXの外国出願 この記事の監修者: HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK 大阪法務戦略部長 八谷 晃典 スペシャリスト, 弁理士, 特定侵害訴訟代理人, 監修者