ブランディングの目的とは?

最近「ブランディング」という言葉(ビジネス用語)の存在をよく目にするんだけど、実際に何を行ったらいいのか具体的なところがよく分からないんだよね。
言うは易し、行うは難しですね。
来月は自社の意識向上月間で、自社の企業理念と部の基本となる方針を他の社員に伝える役割を期待されているんだけど、ブランディングについて今後につながるアドバイスをしてもらえるとありがたいよ。

ブランディングとは、他社にはない付加価値で競合との差別化を図る戦略全般を指します。商品や情報があふれる現代において、大企業だけではなく中小企業の経営においてもブランディング戦略を持つことが欠かせません。
本記事では、主にブランディングの目的及び種類についてその概要を具体的に紹介します。

企業(組織)におけるブランディングとは

コーポレートブランディングとは、「自社ブランドの付加価値を明示し、独自性の高いポジショニングやユニークな強みを認知させることで、競合他社と差別化を図る戦略」を意味します。その他の定義として、「企業が共有したい理念を発信することで共感を得ること」や「顧客にとって価値のある製品を提供するための活動」などがあります。

ブランディングには明確な定義がなく、企業によってさまざまな捉えられ方をしている点が特徴的ですが、どの企業も「自社らしさ」を発信することをポイントにしていることに変わりありません。

例えば、スターバックスは、ほかのコーヒーチェーンが割安感で競争する環境の中、あえてブランド名ではなく、特徴的なロゴマークを印象づけるブランディングを用い、おしゃれで高級感のあるイメージを展開してきた結果、「スタバでのコーヒー体験」という付加価値を演出し、高価格帯を維持できるブランドとして確立されています。また、星野リゾートは、独自の考え方に基づくホスピタリティを徹底し、ほかでは味わえない特別な時間を演出する企業としてブランディングに成功しています。このように、ターゲットとする顧客がブランドの魅力や信頼性を理解できている状態は、ブランディングが成功・実現している事例といえるでしょう。

マーケティングやプロモーションとの違い

■マーケティングとの違い

マーケティングとは、商品やサービスの価値・魅力を市場にアピールし、商品が自ずと売れるしくみを構築することです。例えば、市場を調査して、商品開発に活かしたり、宣伝の戦略を考えたりすることがマーケティングの施策の中に含まれます。

一方、ブランディングは、自社らしさでブランドの価値を高めるための取り組みです。マーケティングとブランディングは意味合いこそ異なりますが、相関関係があり、ブランディングによってマーケティング効果を高めたり。費用対効果を改善したりすることができます。

■プロモーションとの違い

プロモーションとは、企業が提供する商品やサービスを認知・購入してもらうための活動を指します。プロモーションはマーケティング手段の一つで、街頭広告や店頭での販売促進活動などといった取り組みを指します。

一方、ブランディングは、商品やサービスの宣伝活動や販売促進が起点ではなく、自社ならではのイメージや価値を共有し、会社自体を起点として独自性(アイデンティティ)を確立する活動の総称です。

自社の売上達成を目指す手段がマーケティングやプロモーションであるのに対し、ブランディングは自社とステークホルダー(利害関係者)とのコミュニケーションを円滑にするための手段といえるでしょう。

中小企業にブランディングが必要な理由

ブランディングと聞くと、中には「大手企業に必要なものであって中小企業には関係ない」と思われるかもしれません。しかし、中小企業こそブランディングの重要性に着目すべきといえます。

市場に多くの商品やサービスが溢れる昨今の状況のもとでは、インターネットの爆発的な普及もあり、人々は自ら情報を検索し、無数の商品・サービスから自分に合ったものを選びやすくなりました。インターネットが登場する前は、テレビCMや新聞広告、雑誌広告、電車広告といったメディアによる広告が主流であり、消費者は基本的に企業からの発信を受けて商品やサービスの情報を受け取る立場にありました。

しかし、インターネット普及後は、企業の商品やサービスの内容(コンテンツ)や情報を自ら得るようになり、webでのGoogle検索やSNSのハッシュタグ検索を活用したり、インフルエンサーの投稿を参考にして購買する時代に移り変わってきています。すなわち、企業と消費者の購買におけるコミュニケーションのあり方や表現方法(手法)が変化したのです。

このような時流の中で中小企業が業界の中で生き残るためには、消費者に知って選んでもらうための独自性(アイデンティティ)や強みを確立して競合との差別化を図る必要があります。

ブランディングに成功すれば、競合他社が多い市場や大手がシェアを占めている市場でも、根強いファンを獲得しやすくなります。そのため、中小企業(その中でも競合が多い業種・業態)ではブランディングによってインパクトを出して印象に残すことが大切なのです。

ブランディングの目的と種類

一般的にブランディングというと、社外に自社イメージを伝達する「アウターブランディング」のイメージが強いかもしれませんが、社内に自社らしさを浸透させる「インナーブランディング」も大切です。

以下、ブランディングの目的と種類について詳しく説明します。

アウターブランディング

消費者や自社の顧客、取引先企業、社会など、社外の人に向けて行う戦略のことです。主に広報活動や広告によってブランド浸透を図る方法です。一般的に多くの人がブランディングと聞いて真っ先に思い浮かべるのがこの対外的なアウターブランディングです。自社の魅力を伝えられるため、企業の利益やイメージを向上させるために実施されます。

アウターブランディングは企業収益に直結しやすいことから、多くの企業では後述のインナーブランディングよりも重要視される傾向がありますが、魅力的な商品開発を行うことで自社のブランド力を高める人は自社の従業員である点に注意が必要です。

インナーブランディング

企業のブランドコンセプト、企業理念やビジョンなどを社内に浸透させ、従業員満足度や愛着度(エンゲージメント)を高める戦略のことです。従業員の定着率や業務効率の改善などを目的に実施されます。

インナーブランディングが必要とされる理由は、社員一人一人の行動や顧客に対する対応が企業のブランドイメージに与える影響が大きくなってきた、と認識されているからです。消費者や顧客に企業ブランドを必死にアピールしても、肝心の接客やサービスを担当する社員がブランドを理解せず、かけ離れた対応をしていては顧客の心をつかむことはできません。また、社員教育も重要ですが、正当な評価や報酬制度、労働環境整備や福利厚生の充実なども必要です。

採用ブランディング

自社をブランド化することで優秀な人材を採用する力を高める戦略のことです。

消費者に対するブランディングでは「商品やサービスを利用してみたい」と思われることや、消費者にとってよいイメージを持ってもらうことが目的ですが、採用ブランディングが目指すのは求職者からの応募、それも、より企業の社風に合った戦略となりうる人材の応募が求められます。そのため、採用ブランディングでは、商品やサービスではなく、「自社」そのものへの魅力づけをしなくてはなりません。

商品・サービスブランディング

商品ブランディングとは、商品のコンセプトやタグライン、ロゴデザインなどさまざまな要素を通して商品自体の価値を高める戦略のことです。商品ブランディングは商品のブランドストーリーを発信することで、商品の価値をユーザーと共有して相互コミュニケーションを行い、商品に持続的な成長をさせることを目的に実施されます。

サービスブランディングは、目に見えない価値をユーザーを伝わるようにする、という点が商品ブランディングとの違いです。ブランドストーリーを発信して、ユーザーとコミュニケーションを図り、サービスの価値を共有します。そして、お客様が抱える課題・問題、または願望や目的を捉え、それらを解決し、体験することで満足度を高めていきます。満足度が高まることにより、多くの人へと広がっていきます。

商品・サービスブランディングは、上述した宣伝広告や販売活動を行う「プロモーション」とは関連があるものの、目的が異なるため、混同しないように注意が必要です。

商品やサービスが溢れる現代では単に良い商品・サービスを作るだけでは将来の安定した成功が難しいんだね。
そうなんです。企業のブランディングは、企業(組織)の規模を問わず、事業の成長や発展のために欠かせません。
マネジメントに関わる立場として、企業価値を把握して広く社内外に正しく知らしめることが大切だね。ひとまず現状を分析して、一覧にまとめた資料を作成して、知識として価値観を共有できるよう取り組むよ。おすすめの情報があったら何時でもアップしてね。

商標登録によるブランディング

ブランディングによってブランドイメージを構築できても、他社に類似の商品を販売されたり、紛らわしいブランドネームが使用されるとその価値はどんどん希釈されていきます。

大切なブランドイメージを守るためには、商標権や意匠権等の知的財産権で保護を受ける事が必要となってきます。その中でも、ブランドネーム等の商標登録は欠かせないでしょう。

ブランドイメージを表したブランドネームは勿論のこと、商品の形やパッケージ、一定の要件をクリアすればショップの外観に至るまで、商標権を取得すれば独占的に使用することが可能になります。

ブランドネームやロゴ等を商標登録し、独占的に長期的に継続して使用することにより、顧客は信頼及び安心してそのブランドの商品やサービスを選ぶことができるというメリットもあります。

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この記事の監修者:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
大阪法務戦略部長 八谷 晃典
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